2017年度 活動レポート 第80号:熊本大学大学院自然科学研究科

2017年度活動レポート(一般公募コース)第80号

日中合同 都市デザインワークショップを開催!

熊本大学大学院自然科学研究科からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2017年8月16日(水)から22日(火)にかけて「第一回日中合同都市デザインワークショップ」を行い、中国浙江省の浙江工商大学から教員2名および学生8名の計10名を招へいしました。

このワークショップでは、前半に熊本地震による被害状況と復興に向けた取組みに関連する講義や見学を行い、後半には熊本副都心(健軍)の被災した商店街を対象として、都市デザインコンテストを開催しました。

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「ましきラボ」での集合写真

本実施での熊本地震に関連する講義や見学、都市デザインコンテストは以下の通りです。

<8月17日>

午前は、地震で大きな被害を受けた熊本市内の熊本城の復旧工事の様子を視察しました。熊本城は地震によって石垣の崩落や天守閣の瓦の落下といった被害が地震直後にあり、被害状況と復旧・復興に向けた取り組みを説明していただきました。

午後からは、熊本市内の商店街を対象として研究を行っている熊本大学の学生と商店街理事から、都市デザインコンテストの対象である健軍商店街についての説明がありました。その後、健軍商店街とその周辺エリアを視察しました。

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熊本城の被害状況の視察(17日午前)
写真2
健軍商店街の視察(17日午後)

<8月18日>

午前は熊本地震で最も被害の大きかった益城町へ向かい、熊本地震による被害と復旧復興の現状について学びました。また、益城町内の被害状況を実際に見て周り、益城町の住民と大学生・研究者が益城の復興について自由に語り合える場として開設された「ましきラボ」も訪れました。

午後からは熊本地震により山の斜面が大きく崩れ、熊本市と村を結ぶ阿蘇大橋が崩落するなど、大きな被害を受けた高森町と南阿蘇村を訪れました。ここでは、役場職員の方から地震による被害の大まかな説明を受けた後、被災現場を視察しました。また、活断層の調査が行われており、説明していただきました。

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益城町の復旧復興についての説明(18日午前)
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益城町内の被害状況の視察(18日午前)

写真6
南阿蘇村の復旧復興についての説明(18日午後)

<8月19日、20日>

日本人学生と中国人学生の混合の4チームに分かれて、都市デザインコンテストでの発表に向け、作業を行いました。現地調査をもとにチームで案の検討を行い、提案内容をまとめたA1シートを協力して完成させました。また、Autodesk Revit(3次元CADソフト)を用いて提案モデルを作成しました。

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写真8

都市デザインコンテストの作業の様子

<8月21日>

2日間と短い期間の中で、各チーム協力して提案内容をA1シートにまとめ、作成したモデルを表示しながら提案内容を商店街の方に発表しました。その後、さくらサイエンスプログラムの修了証書とピンバッジ贈呈式を行いました。

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都市デザインコンテスト発表会の様子
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修了書授与

また、ワークショップの期間中は英語でコミュニケーションを取り合い、文化や流行しているものを教え合ってその共通点や相違点を見つけたり、将来の計画について真摯に語り合う等の交流を深めました。