2017年度活動レポート(一般公募コース)第59号
高輝度量子ビームの発生とその応用について学ぶ
京都大学エネルギー理工学研究所からの報告
平成29年8月28日〜9月6日までの期間、京都大学エネルギー理工学研究所では、大阪大学産業科学研究所楊先生、および理化学研究所・放射光科学総合研究センター大竹チームリーダーの協力を得て、中国科学技術大学国家同歩輻射実験室(以降USTC)の学生10名(大学院生8名、ポスドク研究生2名)を迎えて、「高輝度量子ビームの発生とその応用」というテーマにてさくらサイエンスプログラム・科学技術体験コースを実施しました。
今回の科学技術交流では、京都大学宇治キャンパスのエネルギー理工学研究所にて、高輝度量子ビームの発生と利用に関して、最新の情報を交えた講義と実験室見学、並びにSPring-8(世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設)や大阪大学の世界最高レベルの装置の見学と先生方による講義を行う事で、USTCの学生の知識の向上を図る事を目的にしました。
8月28日夜に宿泊施設に到着したあと、29日からコースを開始しました。
29日は事業担当者の大垣教授からの全体オリエンテーション、京都大学エネルギー理工学研究所における高輝度量子ビームの発生と利用についての講義の後、岸本研究所長による同研究所の紹介、並びに元所長の吉川名誉教授による、最新の研究についての講義が行われました。その後、USTCの学生は研究施設見学を行いました。
30日は、大阪大学産業科学研究所を訪問し、楊金峰先生から研究室紹介並びに、最先端の研究状況を講義頂きました。その後同研究所の研究施設見学を行いました。
31日には、京都大学吉田キャンパスを訪問し、同大学の歴史資料室、並びに博物館を見学しました。
9月1日は、理化学研究所・放射光科学総合研究センターを訪問し、同センターの大竹雄次チームリーダーから、SPring-8/SACLAに関して、USTCの学生の事前の希望に沿うように、制御系、入射系等の専門的項目について講義を頂き、その後SPring-8/SACLAの見学を行いました。
2日および3日は京都市内および大阪市内を訪問し日本文化体験を行いました。
4日には”Workshop on Generation and Application of High Brightness Quantum Beam”を開催しました。このワークショップには、京都大学エネルギー理工学研究所の学生・教員、並びに分子科学研究所加藤教授にも参加頂き、日本・中国での最先端研究の状況を共に学ぶとともに、自身の研究についても発表を行い、意見交換を行いました。
プログラム最終の5日には、京都大学エネルギー理工学研究所が主催する国際シンポジウム(The 8th International Symposium of Advanced Energy Science - Frontiers of Zero Emission Energy)に参加し、エネルギー分野における最先端研究状況や、高輝度量子ビームの貢献等について学び、9月6日、無事帰国しました。
参加者は是非また日本に来たいという希望を口々に言っており、日本に対して非常に良い印象を抱いて帰国しているようです。