2017年度 活動レポート 第58号:大阪工業大学建築学科

2017年度活動レポート(一般公募コース)第58号

韓国の学生と合同で合同設計ワークショップを実施

大阪工業大学建築学科からの報告

2017年6月26日から7月1日までの6日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、韓国の国民大学校から10名の学生を大阪工業大学に招き、国際PBL(Project Based Learning)を実施しました。

非常に短期間の中で、与えられた設計課題をグループで取り組むことによる様々な能力(問題解決、チームワーク、創造性、コミュニケーション、設計スキル、リーダーシップなど)の向上を目的としています。また、将来、グローバルに活躍できる人材育成のため英語での議論・プレゼンおよび討論を体験しました。

大阪工業大学と韓国国民大学校の建築学科の学生は、6~7人で編成されたグループを4グループ作り、「Sustainable Design Workshop」と題して、大阪市の木津川遊歩空間「トコトコダンダン」を対象敷地として、読書スペースを有する Pod Architecture(小型建築)を設計する合同課題に取り組みました。この合同課題では、意匠面のみならず、風および光に関するシミュレーションを活用して、設計の根拠として示すことを必須としています。

韓国国民大学校の方々が来日された初日のオリエンテーション後に、全員で設計課題の対象敷地に行き、現況調査を行いました。敷地調査はグループ単位での行動としましたが、自然に日韓の学生の間に交流が生まれました。夕方からは「日本橋の家(設計:安藤忠雄)」を見学した後、夜は共に夕食をとり、学生の交流が深まりました。

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敷地調査
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「日本橋の家」見学

2日目の午前には、3時間ほどかけてシミュレーションレクチャーを実施しました。学生は気流解析(㈱アドバンスドナレッジ研究所製:FlowDesigner)と昼光計算(Dial社製:Dialux)の基本操作を習得しました。

2日目の午後から4日目終了までが、設計課題に取り組む時間となります。その過程で、中間プレゼンテーションが2度実施されました。学生は設計のキーポイントを紙・ホワイトボードに書いた上で、教員・全参加学生の前で説明しました。皆、苦戦はしているものの、頑張って伝えようとしている様子が見られました。

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中間プレゼンテーション

設計作業は朝早くから夜に大学が閉まるぎりぎりまでに及びましたが、全グループ共なんとか完成に至り、最終プレゼンテーションでの発表となりました。ゲスト審査員として、この度の設計対象となる「とことこだんだん」の設計者である岩瀬 諒子 様にお越し頂きました。プロの設計者達からの質問の中、緊張の中で進行しましたが、凝縮したワークショップの素晴らしい締めくくりとなりました。

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設計作業
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最終プレゼンテーション
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5日目は建築見学のために全員で京都に行き、京都国立博物館、三十三間堂、TIMES、虎屋菓寮、京都御所を巡りました。夜はフェアウェルパーティの中で、最優秀グループの発表が行われました。最高潮の中、大変素晴らしいひと時となりました。

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見学
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見学

6日目は梅田キャンパスおよび周辺の見学の後、韓国の学生は帰路につきました。

参加した日本人の学生からは、「設計能力や、語学力を含めたコミュニケーション能力を更に身に付ける必要があると感じた」というコメントが聞かれました。韓国の学生からは、日本文化を学べたことや日本の学生との親交を深められたことなどを喜ぶコメントが多く寄せられました。韓国国民大学校の学生との親睦を深めることができ、充実した国際PBLとなりました。

この度は貴重な機会をご提供いただきましたさくらサイエンスプログラムに、心より感謝致します。