2016年度活動レポート(一般公募コース)第371号
科学技術計測の最先端を体感する交流プログラム
関西学院大学理工学部からの報告
関西学院大学(兵庫県・三田市)では、2月28日~3月7日の1週間、インド アミティ大学から、10名の学生と1名の教員を招へいしました。
アミティ大学と関西学院大学は協定大学ではありますが、アミティ大学から本学三田キャンパスに学生を招へいするのは初めてであり、今回は本学における先進的な研究の一つである、科学技術計測について学ぶプログラムとして実施しました。
はじめに、プログラム責任者である尾崎教授から、本学のプログラムの概要、目的について説明を聞き、皆これから始まるプログラムへの期待が高まっている様子でした。
また、世界屈指の大型放射光施設SPring-8にて研究を行っている水木教授から、放射光施設の仕組みや、現在進められている研究についての講義を受け、スケールの大きい研究について、大変熱心に聴いていました。
神戸三田キャンパスでは、科学技術計測についての講義・実験、ラマン分光、ラマンイメージング、プラズマ分光、バイオセンサー、X線回折、X線散乱等を題材にしたプログラムを受講しました。
本学が世界的拠点であるラマン分光学において、幅広い分野への展開の紹介をうけるとともに、医学分野への最先端の応用技術について詳細に講義を受けました。
また、環境化学分野におけるプラズマ分光等用いた環境計測、日本が誇るセンサー技術である、表面プラズモン共鳴に基づいたバイオセンサーの研究についても学びました。
さらにSPring-8で行われている研究をはじめ、本学で活発に行われているX線回折、X線散乱の研究紹介として、基本的なX線技術の紹介と共に、ゲルや高分子薄膜を研究する実例についても実際の装置を見学しながら、体感しました。
各分野の講義・実験が大変興味深かったようで、最終日には、進学も視野に入れた詳しい話を再度教授たちから聞きたいと、招へい学生から多数のリクエストが寄せられました。
教授のみならず、学生、研究員が従事する研究を紹介する機会を設け、様々な角度から、科学技術計測についての理解を深めるとともに、ざっくばらんに互いの研究や、日本での研究活動、生活等についてディスカッションし、交流を深めることができました。
また、本学と共同研究を行っている他大学にも訪問し、大阪大学理学部化学科 山本茂樹助教の研究室では、ラマン光学活性や赤外円二色性の研究の紹介、神戸大学人間発達環境学研究科 佐藤春実准教授からは、テラヘルツ分光学についての講義と、生分解性ポリマーを使ったテラヘルツスペクトルの測定のデモンストレーション実験も紹介いただきました。
日曜日には京都へ赴き、寺社仏閣などを中心に伝統的な日本文化にも触れ、招へい学生たちは大変満足した様子でした。
非常に意欲が高く、どの講義・実験においても熱心に耳を傾け、積極的に質問が飛び交う、活発なプログラムとなりました。プログラム提供者である本学教員一同、その熱心さに感嘆するほどでした。
プログラム終了後も教職員、学生間でメールやSNSで交流が続いています。このプログラムをきっかけに、アミティ大学と関西学院大学の交流が活発になると確信します。