2016年度活動レポート(一般公募コース)第299号
日本の先端医療を支える内視鏡技術をアジアに広める
名古屋大学医学部附属病院准教授 廣岡芳樹さんからの報告
2017年2月1日より2月8日まで名古屋大学医学部附属病院において、「日本式の消化器疾患に対する内視鏡を用いた診断と治療が可能な医療人の養成」をテーマに、さくらサイエンスプログラムのプログラムを実施しました。
世界でもトップレベルにある日本の内視鏡技術をアジア諸国に啓蒙し、消化器疾患における内視鏡を用いた診断と治療が可能な高度な医療人の育成を目的として、メコン領域のタイ(ラジャビテー病院、マヒドン大学シリラージ病院、シリントーン病院)、ミャンマー(ヤンゴン第二病院、マンダレー総合病院)、ベトナム(チョーライ病院)、カンボジア(カルメット病院)の4か国7施設より、各施設から選抜された合計14名の優秀な若手医師・看護師を招いて内視鏡を用いた診断、治療を中心に8日間の集中講義と研修を行いました。
今回のプログラムでは、内視鏡検査における基礎的な内容はもとより、Image Enhanced Endoscopy (画像強調観察)、超音波内視鏡、カプセル内視鏡といった、内視鏡分野においても最先端の内容を含んだ講義、実習を行い、若手研究者の新規技術の取得意欲を向上させることができたと思います。
2月4日には、招へい者全員参加で名古屋市科学館の見学を行いました。見学に際しては本学の大学院生も4名参加し、専属のガイドさんに案内をいただき、世界最大のプラネタリウムをはじめ、竜巻ラボなど様々なイベントに参加することができました。
また生命ラボでは特別ににぼしの解剖を体験することができ、皆さん楽しんでおられました。
5日は、当院内にあるクリニカルシュミレーションセンターで内視鏡検査シュミレーターを用いて、実際に招へい者の方々に内視鏡機器を手に取ってもらい、検査、処置を体験してもらいました。
当院にはコンピューターベースの最新のシュミレーターが採用されており、かなり実臨床に近い感覚で内視鏡を操作することができ、招へい者の方々にも好評でした。
2月6日は当院看護部にも協力をお願いし、当院の看護システム、看護教育などについて講義、実習を行いました。今回の招へい者の半数は看護師であり、高齢者の割合、看護師の数など国によって大きな違いがあるようで、貴重な意見交換の場となりました。
短期間の研修でしたが、非常に充実した内容で、日本の最先端の医療、内視鏡技術をアジアの方々に伝えることができました。最後に、このような貴重な機会をいただき、さくらサイエンスプログラムならびに関係者の皆さまに深く感謝いたします。