2016年度活動レポート(一般公募コース)第287号
日中の医学交流を深める研修プログラム
日中医学協会からの報告
さくらサイエンスプログラムにより、2016年12月4日~12月10日の7日間、中国山東省内分泌与代謝研究所から、優秀な若手医療従事者8名(研究者4名、医師2名、看護師1名、研究所職員1名)を招き、先端的医療関連施設訪問を通して、日本の優れた医学・医療分野に対する理解を深め、日本での研究活動への関心を促すことを目的に研修プログラムを実施しました。
12月5日(月) 東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科参観
同病院の糖尿病・代謝内分泌科では、世界トップレベルの臨床医学研究と先端医療開発に基づいた治療の実践について視察し、糖尿病医と糖尿病療養指導士との連携による、きめ細やかな療養指導、および優れたチーム医療を学びました。
12月6日(火)午前 杏林大学病院腎・透析センター参観
腎不全や透析治療について説明を受け、糖尿病性腎症治療への理解を深めました。
12月6日(火)午後 朝日生命成人病研究所及び附属病院参観
糖尿病に関する研究・検査・治療・栄養指導・教育入院について、コンパクトで効率の良いシステムを学びました。
12月7日(水)午前 東京女子医科大学糖尿病センター参観
最大級の糖尿病専門である同大糖尿病センターにて、あらゆる年齢のあらゆる糖尿病患者のトータルケアについての取り組みを学びました。
12月7日(水)午後 東京女子医科大学先端医科学研究所参観
日本発「細胞シート工学」による再生医療プロジェクトについて視察しました。
12月8日(木)午前 テルモメディカルプラネックス参観
手術室やICU等の医療環境を再現した空間で医療手技のトレーニングを体験し、最先端の医療研修プログラムを参観しました。
12月8日(木)午後 静岡県立静岡がんセンター参観
静岡がんセンターでは、陽子線による先端的がん治療への取り組みについて理解を深め、緩和ケア病棟では患者と家族を中心としたがんケアについて学びました。
12月9日(金)午前 日本の医療保険制度についての講義
日本の医療保険制度の変遷、保険制度のシステム、日中の人口推移の比較、高齢化社会に向けての問題点等について学びました。日本の国民皆保険制度の優れた点と課題について理解を深めました。
12月9日(金)午後 さくらサイエンスプログラム修了証書授与と懇親会
今回のプログラムでは、糖尿病患者数増加にともない、治療や予防対策が重大な課題となっている中国の糖尿病領域の医師・研究者を招へいし、日本の最新の糖尿病治療、医療設備、日本式チーム医療や予防対策を学んでいただきました。
中国の医療従事者8名全員より、研究者や研究生として再来日し、更に深く学びたいという感想が寄せられました。今後も先進的な糖尿病治療実践にむけて、日本と中国が一層の協力関係を築けるよう当協会も貢献したいと考えております。
本プログラムを実施するにあたり、各医療施設をご紹介いただいた東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 特任講師の飯塚陽子先生、ご協力いただいた参観先の先生方、関係者の皆様、また多大なご支援をいただきましたさくらサイエンスプログラムに対して、心より感謝申し上げます。