2016年度活動レポート(一般公募コース)第234号
ラオス国における腹腔鏡手術普及にむけた国際医療交流活動
神戸国際医療交流財団からの報告
セタティラート病院はJAICAの支援によって設立され、ラオス国において重要な拠点病院として位置付けられています。
同病院と同志社大学・草津総合病院は2014年から医療交流活動を行っており、セタティラート病院では、今後のラオス国の医療を牽引する一翼として最先端の医療技術である腹腔鏡下手術センターの立ち上げを決定しています。
同病院の産婦人科、腹部外科の医師を2016年9月5日~9月12日の日程で草津総合病院に招へいし、日本の施設・技術を視察及びドライラボによるトレーニングを行い、センター立ち上げに向けた人材育成を主眼とする準備を行いました。
腹腔鏡下産婦人科手術と腹腔鏡下消化器手術の見学では、卜部副院長・周産期センター長、戸川第二外科部長、小座本医師、萩原医師が行う腹腔鏡手術を見学しました。
手術前に小座本医師(消化器外科)、鳥井医師(産婦人科)から、腹腔鏡手術の考え方や適応、手術操作概要、具体的手順、特に開腹手術との違いについてレクチュアがありました。
実際の手術見学では、麻酔導入から手術体位の作成方針、ポートの作成位置の選定とポート作製に伴う合併症回避の考え方、執刀医やスコープ担当の手術助手、鉗子類担当の手術助手の役割について、特に全身麻酔下の手術との相違に着目して小座本医師、鳥井医師が説明を行いました。見学中にはラオス人医師からの質問も多く、活発な質疑応答もありました。
術後にはICUでの術後管理について、説明を行いました。見学した手術患者のICU管理を例にとって、24時間の管理体制等についても詳しい説明を行いました。
また、手術見学だけでなく、手術室のレイアウト、洗浄室、滅菌室などに関しても見学、手術室師長より説明を行いました。医師からは腹腔鏡下手術を円滑に行うための様々な機器、術中の工夫に関しても説明を行いました。
総括では両施設間の今後も医療交流活動は継続して行うこと、セタティラート病院の腹腔鏡センター立ち上げに関し、協力をしていくことを確認しました。
9月5日(月)
午前:日本着
午後:挨拶、ミーティング
手術見学(草津総合病院)
消化器外科:腹腔鏡下悪性腫瘍手術
産婦人科:腹腔鏡下良性腫瘍手術
9月6日(火)
午前:手術見学(草津総合病院)
産婦人科:帝王切開
腹腔鏡下良性腫瘍手術
午後:技術トレーニング(ドライラボ)
9月7日(水)
午前:開業医・画像機器見学(鳥井医院)
午後:同上
9月8日(木)
午前:朝カンファ
手術見学(草津総合病院)
産婦人科:子宮鏡下手術
午後:手術見学(草津総合病院)
産婦人科:子宮鏡下手術
技術トレーニング(ドライラボ)
講演:ラオス国の医療の現状
9月9日(金)
午前:朝カンファ
手術見学(草津総合病院)
消化器外科:腹腔鏡下悪性腫瘍手術
産婦人科:腹腔鏡下良性腫瘍手術
午後:手術見学(草津総合病院)
産婦人科:腹腔鏡下良性腫瘍手術
手術室・機器見学
交流会
9月12日(月)
午前:朝カンファ
手術見学(草津総合病院)
消化器外科:腹腔鏡下良性疾患手術
産婦人科:腹腔鏡下良性腫瘍手術
午後:手術見学(草津総合病院)
消化器外科:腹腔鏡下良性疾患手術
産婦人科:腹腔鏡下良性腫瘍手術
総括
9月13日(火)
午前:日本発