2016年度活動レポート(一般公募コース)第230号 (Aコース)
体験型学習と交流を通したグローバル技術者教育
苫小牧高等専門学校からの報告
8月19日から28日の日程で、モンゴル3高専の学生が訪日し、苫小牧工業高等専門学校創造工学科都市・環境系での研修を行ったほか、苫小牧周辺及び東京で各種施設を見学しました。
訪日したのは、近年モンゴルに相次いで新設された日本式高専であるモンゴル高専(IET)、科技大付属高専、新モンゴル高専で土木工学を学んでいる1~3年次の学生9名(各校から3名ずつ)で、新モンゴル高専の日本語教員のOyunbileg先生が引率しました。
本校滞在中は、学生が行っている構造工学、コンクリート構造学、水理学など、モンゴルにはまだ少ない施設・機材を用いた実験を行い、日本の高専の授業を体験するとともに、オープンキャンパスへの参加、学生寮での宿泊、合宿中の本校バスケット部との交流試合等をとおし、本校学生とも交流を深めました。
また、日本の先端技術に触れさせる目的で、千歳市防災教育施設「そなえーる」、国内初の二酸化炭素の地中貯留実証プロジェクトを行っているCCSプラントなどの見学、(株)タナカコンサルタントでの最先端の測量も体験しました。
来日期間の研修内容は以下のとおりです。
8月20日:CCS見学、千歳市防災教育施設「そなえーる」の見学
8月21日:苫小牧高専オープンキャンパス参加、(機械系、都市・環境系、電気・電子系、応用化学・生物系、情報科学・工学系)の体験
8月22日:研修ガイダンスの後、構造工学実験(梁のたわみ)、コンクリート構造学実験(セメントの強度試験のための試験片製作)
8月23日:測量実習
8月24日:水理学実験(管路の損失水頭について)、コンクリート載荷試験
8月25日:研修内容および実験の取りまとめ発表
8月26日:東京都立高専見学
8月27日:科学未来館見学
今回の研修プログラムは、日本の高専を体験すること、日本の先端技術に触れることを主眼に計画したものです。工学実験では、本校の各教員の指導の下、積極的に実験に参加しデータ整理にも熱心に取組む姿が印象的でした。
施設見学では、日本の過去の大地震を疑似体験し防災対策や自国の環境問題を考える契機になったのではないかと推察します。
研修発表会では、本校の充実した設備などに触れられて有意義だったとの感想を述べていました。特に新モンゴル高専の3名の学生は、まだ1、2年生であるにも関わらず、とても流暢な日本語で口頭発表して参加者を驚かせていました。
26日から28日にかけては東京に滞在し、(一社)モンゴルに日本式高専を創る支援の会の協力のもと、東京都立産業技術高専や日本科学未来館を見学。学生たちは今回の研修に満足して帰国の途に着きました。