2016年度活動レポート(一般公募コース)第114号
光触媒研究を通した国際交流
東京理科大学からの報告
11月の秋空が広がる中、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、11月6日~26日までの日程で中国の中国科学院 物理研究所から大学院生3名と引率の教員1名が、東京理科大学にいらっしゃいました。
本学および中国科学院の教員らは古くから交流があり、特に引率教員のMeng先生は、かつて本学学長藤嶋昭先生の下で研究を行っていました。
今回のプログラムにより、教員間だけではなく、学生間の交流も開始することができました。期間中には藤嶋昭学長のお部屋を訪問して様々なお話をすることができたほか、記念撮影や記念品の贈呈を行うなど、楽しい交流の時間をもつことができました。
本プログラムの目的は、日本発の技術である光触媒について理解を深めることでした。そのために、まず光触媒国際研究センターを見学してもらいました。最先端の光触媒研究についての内容やセンター内の設備、展示物に大きな関心を寄せている様子が伺えました。
またこの日はJST中国総合研究交流センターからの来客もあり、学生達と一緒にセンター内を見学してもらいましたが、中国での光触媒に対する関心の高さが伺えました。
初日には、日中の学生間の交流を深めるために、パスタを使ってタワーを作り、高さを競うゲームを行ったり、日本の観光地を案内したりもしました。このような企画を通して日本のことを理解してらうだけではなく、日本の学生との間に信頼感が育まれ、打ち解けあった雰囲気を作ることができました。
また、日本の科学技術について知ってもらうために日本科学未来館に見学に行きました。さらに本学に付属している近代科学資料館も訪れ、計算機や録音技術の歴史、東京理科大学の歴史などを知ってもらうことができました。近代科学資料館に隣接している数学体験館では、数学を五感で体感できる企画を楽しみました。
今回の交流により、研究面でも共同研究をする良いきっかけができました。中国科学院のグループは光電極に関する最先端の研究を進めており、本学の光触媒研究と交流をもつことでお互いの研究がさらに進展するきっかけを作ることになりました。今後も、継続的に研究のディスカッションをすることを約束しました。
最終日には、別れを惜しみつつフェアウェルパーティーを開催しました。この交流の感動が覚めないうちに、また、継続性をもたせるためにも、今度は、日本の学生を中国へ送り出そうと企画しており、来年に6名の大学院生を中国科学院へ派遣する予定です。
このような交流のきっかけを作っていただいたさくらサイエンスプログラムに感謝いたします。