2016年度 活動レポート 第86号:高崎健康福祉大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第86号

薬学最先端~分子レベルから臨床レベルまでを学ぶ

高崎健康福祉大学からの報告

平成28年10月26日〜11月4日の10日間、ベトナム社会主義共和国ホーチミン医科薬科大学の薬学生10名、教員1名を本学に迎え、さくらサイエンスプログラムでの交流プログラムを実施しました。

学生達は日本の最先端技術を俯瞰し、多くの専門家たちと活発な議論をし、サイエンスへの関心を更に高めることができました。また本事業は、学生、教員間の相互交流を通じたグローバル人材の育成にも繋がる、大変有意義な活動となりました。

プログラムは、10月27日午前の全学共通のウェルカムセレモニーで幕を開けました。歓迎の挨拶の後、本学学生による英語での大学紹介が行われました。

午後から、林正弘薬学部長による歓迎の挨拶と薬学科講話
“Introduction of Japanese Education System:Pharmacy Education” を聴講しました。

学部長を囲んで

10月30日は、休日を利用して高崎市内の箕輪城まつりに参加しました。本学ボランティア学生のサポートで、ベトナム人学生の男性は鎧兜に身を包み、女性は着物を身にまとい、日本の歴史に触れることができました。さらに戦国時代の模擬合戦を体験し、地域住民との交流を楽しみました。

箕輪城祭り

11月1日は、武田薬品工業湘南研究所を訪問しました。創薬とその基盤となる先端技術のレクチャーを熱心に聞き入り、積極的に質問していました。また、研究所内を見学し、最先端研究施設の紹介には目を輝かせ、非常に興味を示していました。神奈川県藤沢市までの長い道のりもあり1日がかりの行事でしたが、往復のバスの車内では疲れも見せず、同行した本学教員と共に有意義な時間を過ごしました。

武田薬品工業湘南研究所にて

2日は、薬学部の模擬薬局において、臨床薬学教育センターの教員の指導の下で注射薬の混合調製実習を行いました。本実習で抗悪性腫瘍薬の職業性曝露を防ぐための方法や、最先端のデバイスについて学び、本学学生と交流しながら、大変熱心に実習していました。

模擬薬局実習

これらの他にも、群馬大学病院薬剤部やマルエ薬局倉賀野店を訪問し、日本での薬剤師業務について学びました。また、学内にて岡田裕子准教授による「薬剤師の役割について」、今井純准教授による「MHC I上の抗原提示効率を決定する新たな法則について」の講義を聴講し、渡辺和樹講師による実習「生薬天然物・漢方薬実習体験」、坂井隆浩助教による「酸化ストレスと老化、疾患について」の実習を体験しました。

本学でのたくさんの思い出を胸に、11月4日、全員名残惜しそうに帰国の途に就きました。研究者として再来日したい、大学院へ入学したい、という声を聞くこともできて、プログラム運営に携わった教職員もやりがいと喜びを感じました。本学学生からは、彼らの積極性や熱心に学ぶ姿勢を見習いたいという意見が多く聞かれ、今後も国境を越えての相乗効果が期待できます。