2015年度活動レポート(一般公募コース)第231号
中国の学生と樹液流の測定について共に学ぶ
静岡大学からの報告
静岡大学
2015年11月11日~20日の日程でさくらサイエンスプログラムの交流プログラムを実施しました。本プログラムは、中国で乾燥地生態系を研究対象としている5名の博士課程の学生および1名のポスドクを対象に、フラックスの測定方法習得および冷温帯落葉樹林の生態系に関する理解を深めてもらうことを目的としました。
静岡大学に所属している関連分野の教員によるレクチャーを実施するだけでなく、日本人学生もサポートに加わることにより、学生間の交流を深めることも目指し、フラックス測定に必要なセンサの計測および野外活動の2項目を実施しました。
1. センサの製作
樹液流の測定を目的に桜谷センサおよびグラニエセンサの製作を行いました。測定において必要となる概要を講義形式で説明した後、センサの測定原理の説明を実施しました。さらに、参加者が各自でセンサを1台製作することによって、習得した知識・技術の定着も図りました。招聘者の中には桜谷センサを製作した経験のある学生が1人いて、日本人学生とともに他の招聘者のサポートを担ってくれました。
2. 野外活動
富士山における植生帯の垂直変化および周辺の水循環を実地研修によって理解してもらいました。さらに、本学の地域フィールド科学教育センターを活用し、冷温帯落葉樹林における生態系に関する見識を深めてもらいました。
3. その他
本プログラムの遂行に関しては、日本人学生が主にサポートを行ったが、適宜、本学に留学中の中国人学生もサポートに加わり、交流を円滑に進めることに貢献してくれました。また、招聘者の中にはパソコン機器に関する知識が豊富な学生が含まれており、本プログラムの期間中に、本学における研究に有益な情報や技術の協力を得ることができました。
本プログラムは中国人学生が測定技術に関する知識を深めることに貢献し、彼らの満足度は非常に高かったようです。また、本学の学生は、自分の研究に関するスキルを英語で海外の学生に説明する機会を得ることができ非常に有意義でした。