2015年度 活動レポート 第227号:自然科学研究機構

2015年度活動レポート(一般公募コース)第227号

インド・ハイデラバード大学と自然科学研究機構との人材交流
自然科学研究機構 生理学研究所からの報告

自然科学研究機構

今回の交流計画のテーマは「Involvement of WT1 and Ad4BP/SF1 in early urogenital development of the Asian catfish(WT1およびAd4BP/SF1のアジアナマズ泌尿生殖器発達に及ぼす影響)」でした。

招聘したムルガナンス・クマール君はハイデラバード大学で博士後期課程に在学中の大学院生で、センシクマラン教授の下で研究に励んでいます。彼は学位取得を目指した研究においてin situ hybridization法を習得する必要が生じたため、さくらサイエンスプログラムに応募しました。

クマール君は教授および学部長(Vice Chancellor)から強い推薦書をもらっていたために、極めて優秀であると判断し、受け入れに同意しました。

昨年5月25日~6月3日の10日間、愛知県岡崎に滞在して、in situ hybridization法を生理学研究所・分子神経生理研究部門で習得しました。またクマール君は日本における生命科学研究の現状および日本の文化を知りたいという希望を有していて、生理学研究所および岡崎統合バイオサイエンスセンターの研究者と話し合う機会も得ることができました。

活動の様子1
実験風景1 in situ hybridizationで使用するプローブの作製の様子
活動の様子2
実験風景2 池中教授と切片を観察しながらディスカッションを行った。

In situ hybridization法は組織切片上でmRNAの検出を行う手法で、習得が困難な技術であるため、当初10日間のトレーニングでは日本側の用意した切片での検出だけを想定していました。しかし、想像以上に習得が早いため、本人の学位取得テーマの研究も行い、成果を挙げました。また日本滞在中に研究室のメンバーや岡崎統合バイオサイエンスセンターの研究者と活発な話し合いを行い、日本の研究現状や文化について理解を深めたようです。

活動の様子3 修了証を手に記念撮影

Senthilkumaran教授の研究室と生理学研究所・分子神経生理研究部門間では頻繁な学術交流をしていますが、今回の活動によりハイデラバード大学と自然科学研究機構の交流の活性化に繋がれば幸いだと思っています。

活動の様子4 岡崎城の文化触れ合い