2015年度活動レポート(一般公募コース)第217号
ITを学ぶミャンマーの学生への研修プログラム
北陸先端科学技術大学院大学からの報告
北陸先端科学技術大学院大学
さくらサイエンスプログラムにより,2016年2月29日~3月7日の8日間,本学の学術交流協定校である、ミャンマー・ヤンゴン情報技術大学の学生10名(学部生6名,博士課程学生4名)および引率者1名の計11名が来日し,短期研修プログラムを実施しました。
ヤンゴン情報技術大学(University of Information Technology, Yangon:UIT)は,2015年4月にヤンゴン・コンピュータ大学が改称されたもので,ミャンマー国内においてコンピュータ科学技術のセンターオブエクセレンスとその中核を担い、国内の優秀な高校の卒業生を入学させるシステムを確立しています。UIT学長のSaw Sanda Aye博士が本学で博士号を取得したこともあり,本学とUITは学術交流協定を結び,さらに連携講座も設置しています。
日本到着日の2月29日は肌寒い日で降雪もあり、あいにくの天気でしたが,雪を見る機会の少ないミャンマー南部の方々には珍しい光景だったかもしれません。
今回の短期研修では,UITの学生が本学教員がホームページ等で公開している研究内容を見て,研修先の研究室を選択してマッチングをとるという形で実施され,10名の学生は8つの研究室に分かれて研修を行いました。
滞在期間が短いこともあり,まずは研究テーマに関するレクチャーを行い,その後演習,成果発表を行うという形で実質5日間で研修が実施されました。研究テーマはネットワーク・セキュリティ,自然言語処理,人工知能,ソフトウェア,ハイパフォーマンス・コンピューティングなど情報科学を網羅した分野から選択されました。
訪問のもう1つの目的は,事務職員の交流です.UIT学長の強い希望により,今回,UITのスタッフであるOhmmar Myintさんが派遣されました.今後は,事務スタッフの交流なども国際連携をスムーズに進めるためには重要になってくると思います。
帰国前日の3月6日(日)には,全員で金沢市内の金沢城と兼六園,石川伝統産業工芸館の見学を行い,日本文化,特に金沢の武家文化と伝統工芸に触れる機会を設けました。特に,金沢城の見学では,英語のボランティアガイドの方に案内をお願いしたこともあり,城郭の建築構造や由来などについて理解してもらえたと思います.また,参加した学生さんたちは,終始,たいへん楽しそうだったことが印象に残っています。
今回は短期招へいでしたが,今後はもっと余裕を持った日程でインターンシップの実施や博士後期課程学生の招へいによる共同研究など,より深い研究交流につながることを期待しています。
最後に,このような貴重な機会を与えていただいた科学技術振興機構にお礼を申し上げます。