2015年度活動レポート(一般公募コース)第166号
マレーシアの大学院生がマテリアルサイエンスについて学ぶ
北陸先端科学技術大学院大学からの報告
北陸先端科学技術大学院大学
2015年11月9日から18日までの10日間の日程で、マレーシア国民大学(UKM)のマイクロエンジニアリング ナノエレクトロニクス研究センター(IMEN)から学生6名が本学マテリアルサイエンス研究科およびナノテクノロジーセンターを訪問しました。
本交流の趣旨は2大学間で既に進められてきたグラフェンデバイスを利用したグリーンテクノロジーに関する技術交流を核に、国際共著論文成果に繋がる新たなプロジェクトを創出する機会を得ることで、共同研究による大学間連携を強化するとともに、マレーシアからの参加学生が日本の大学院に進学する機会を提供することを目的としました。
学生6名は自らの研究分野と近い本学教員を事前に選択しており、到着後にそれぞれの研究室にわかれて受入教員との面会を済ませ、日本滞在中に世界レベルの研究課題に対するディスカッションや実験の指導を受けました。学生の中には測定サンプルを持参した学生もいて、本学との共同研究への意気込みを感じました。
11月10日には、本学の最先端の共通機器が揃うナノマテリアルテクノロジーセンターを見学しました。国際シンポジウム参加のために来訪していた学生の指導教員も交え、時間いっぱいまでディスカッションが行われました。また、本学学生が本学の図書館、学生寄宿舎、並列計算機システムなどを紹介しました。
11月10日から12日までは本学で企画された国際シンポジウム(JAIST SAST 2015)に参加し、研究発表や議論を行いました。本学の受入教員の講演をしっかりと聞き、講演後に熱心にディスカッションをしていました。学生6名のうち1名がPoster Awardに選ばれ、本学学長から賞状が手渡されました。
11月13日には、学生の研究分野と関連のある地元石川県の企業の見学ツアーを行いました。学生らは工場内の床が常にきれいに掃除されていることや、徹底的に効率化された工場内の様子に驚いていました。学生らは材料だけでなく加工精度と寸法公差や歩留まり等について熱心に質問していました。時間が限られていたので名残惜しく企業を後にすることになりました。
11月17日には、本学主催の「産・学・官・金」の連携活動の一環である Matching HUB Kanazawa 2015 Autumnに参加しました。このイベントは北陸地域全体の活性化のために最も重要な新産業の創出と人材育成に貢献することを目的として開催されたものです。学生6名は外務省やさくらサイエンスプログラムの生みの親である科学技術振興機構(JST)のブースを訪問した後、興味がある地元企業を訪問して、展示物を手に取り材料や加工方法について質問していました。
滞在中には、金沢の文化を体験するために本学学生が金沢の街中を案内しました。本学の学生は英語を話すことができるため、マレーシアからの学生6名は安心して観光できました。本学は事務的なメールも英語併記で回覧されるため、やりとりがしやすく、共同研究や滞在に対する不安が少ないというポジティブな意見が寄せられました。
11月12日には兼六園を散策しました。マレーシアは平地では雪が降らないので、雪吊りをみたことがなく、それについて質問していました。リラックスした状態での交流も楽しいもので、日本文化や研究内容の話で花を咲かせました。お土産を買うことにも余念がなく、日本を感じることができるお土産をたくさん購入していました。
11月13日には、金沢の金の伝統工芸を体験するために金箔貼りの体験をしました。作った金箔付きのコースターは持ち帰ることが出来たので、良いお土産になったと思います。金の純度に関して質問があり、純度や組成によって食べても問題ない金と食べない方が良い金があることを知りました。実験でこの金箔を電極に使えないかと議論していました。
これらの活動を通して、初めて日本を訪れたマレーシアからの大学院生たちは、日本や日本人に対して深い友好関係を結ぶことが出来ました。滞在中は本学の最先端研究に触れ、金沢の街を感じ、石川県の地元企業との交流を経た中身の濃い10日間となりました。
怪我もなくお土産をたくさん買って11月18日にマレーシアへ帰国しました。その後、目的としていた共同研究が開始されており、さくらサイエンスプログラムに応募した本学としても実りのあるものを得ることが出来ました。最後に、本学のさくらサイエンスプログラムの交流計画を支援して下さった科学技術振興機構(JST)にお礼を申し上げます。
参加したマレーシアの大学院生からの感想
“I would like to express my gratitude to those who are involved in realizing the Sakura Science Exchange Program. I would also like to give my deepest thanks to Japan Advanced Institute of Science and Technology (JAIST) for accepting me as a Sakura Science Program student. During my visit, I had been exposed to the Japanese’s cultures. Besides that, I’m also got to explore many beautiful places in Japan. It is such amazing experiences. Thank you.”
“Personally, I want to thanks both organizer, Japan Science and Technology Agency and Japan Advanced Institute of Science and Technology (JAIST) for supporting us in Sakura Science Exchange Program. You both have been consistently generous in offering your time and effort to make this program successful and beneficial. I was able to gain and exchange valuable knowledge with the students and sensei in JAIST. During the program, I also managed to visit a few interesting and historical place around Kanazawa city. Lastly, I hope that this program will be continued in further time. Cheers!!!”