2015年度活動レポート（一般公募コース）第124号
大学の研究室や企業を訪問して実践交流を行う
高知県と友好提携を締結している中国・安徽省から学生を招へい
公益財団法人高知県国際交流協会からの報告
高知県国際交流協会
科学技術振興機構（JST）の「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けて招へいした中国・安徽省の大学（安徽中医薬大学、安徽中澳科技職業学院、安徽大学）の学生13名及び各校の引率教員３名の計16名が平成27年9月27日～10月3日の日程で来日しました。
受入機関となった（公財）高知県国際交流協会（KIA）では、独自かつ高度な技術を有する県内企業を視察させることにより、第２次産業基盤が十分でない本県のような環境下でも高度に技術を発展させる事が可能であることを紹介するとともに、科学技術分野の学部を有する県内の大学・高専との交流により、我が国への科学技術に対する関心の向上を図り、2014年に友好提携締結から20周年を迎えた高知県と安徽省との友好交流の更なる発展を図ることを目的に、交流プログラムを企画しました。
来日翌日の9月28日には香美市にある高知工科大学を訪問しました。福留園子国際交流部長の大学概要説明及びアイスブレークのあと、同学の留学生による研究発表がありました。
高知工科大学の研究室訪問
学食での昼食後には３グループに分かれて工学系研究室を訪問したあと、学生団体が主体となって開催した日本文化体験イベントに参加して、茶道と華道を体験しました。
茶道体験
夜にはKIAと「高知県・安徽省友好交流委員会」との共催で歓迎会が開催され、日中間で記念品の交換を行うとともに、参加学生と友好交流委員会との間で交流を深めました。
9月29日には高知大学を訪問しました。南国市にある物部キャンパスでは農学部の概要説明及び農場見学や海洋コア総合研究センター内の施設見学、同市にある岡豊キャンパスでは医学部での訓練機器操作体験や附属病院のヘリポート等の施設見学、高知市にある朝倉キャンパスでは菊地るみ子副学長を表敬訪問するとともに留学生等との学生交流やサイエンスギャラリーの見学を行いました。
9月30日には高知市の高知県立大学を訪問しました。池キャンパスでは南裕子学長を表敬訪問した後、健康栄養学部では研究発表及び高知の食材を利用した栄養豊富なお菓子の試食、看護学部ではキャンパスツアー、概要説明及び災害看護に関するプレゼンテーションを受けました。永国寺キャンパスでは、重要文化財である高知城の見学や文化学部の学生との交流を行いました。
10月1日には南国市にある高知工業高等専門学校及び企業を訪問しました。高知工業高等専門学校では、濵中俊一校長等による学校概要説明の後、授業見学及び学生との交流や、コンピューター室等の施設見学を行いました。
高知工業高等専門学校にて学生との交流
午後には兼松エンジニアリング株式会社の南国市明見工場を訪問し、会社概要説明の後、工場見学を行い、高知市にある本社工場では同社の主力商品であり、東日本大震災の復興にも活躍している強力吸引車によるデモンストレーションを見学するとともに、同社に対する質疑応答を行いました。
兼松エンジニアリング(株)にて、吸引車デモ
その後、同市にある株式会社技研製作所本社を訪問し、概要説明の後同社が開発したサイレントパイラーやインプラント工法等についての説明展示を含めた工場見学及び地下駐車場等同社製品のデモンストレーション見学を行いました。
技研製作所(株)の工場視察
10月2日には高知市内の視察を行いました。桂浜では海の無い安徽省の学生は太平洋の景色に大喜びでした。高知よさこい情報交流館では、全国的にも有名になった、よさこい鳴子踊りの歴史を学ぶとともに、カラフルな衣装をまとって鳴子踊りを体験しました。
高知よさこい情報交流館にて鳴子踊りの体験
夜には高知県庁主催の報告会・送別会が開催され、午後にKIA研修室にてとりまとめた研修報告や日本及び高知県についての感想の発表とともに、送り出し機関３校の引率者の先生それぞれから丁寧な謝辞をいただき、KIAの森下業務執行理事からは招へい者全員に修了証が授与されました。
研修最終日の10月3日にはバスにて大阪府に移動して大阪市立科学館を見学の後、関西国際空港から全員元気に帰国しました。
全日程を通じて参加学生はそれぞれの訪問先で活発な質問を行うなど熱心な態度で研修を受けており、日本での就職や留学に興味を示したようでした。また、生活態度も非常に良く、彼らに接した高知県民も好印象を受けており、高知県と安徽省との友好交流の推進にも大きな効果がありました。