2015年度活動レポート(一般公募コース)第64号
タイの大学院生が富山でアルミ合金について学び、地域企業を訪問
富山大学大学院理工学研究部(工学)からの報告
富山大学
9月27日(日)から10月3日(土)の日程で、富山大学大学院理工学研究部(工学)では、タイ・チェンマイ大学理学部の大学院生10名と講師1名を受け入れ、さくらサイエンスプログラムによる交流プログラムを実施しました。
このプログラムは、環境・エネルギー問題の解決策として大量輸送機関の軽量化に対応すべく、自動車・鉄道車両等の生産と保有の急増が見込まれる東南アジア地域の次世代を担う大学院生に対して、本学材料機能工学専攻の教員が地域企業との連携により培ってきた「アルミ合金の先端研究と先進的製造技術」を学ぶ機会を提供することで、「持続可能な社会の構築」を我が国の若手研究者・技術者とともに共創できる人材を育成するものです。
1日目には軽金属(アルミニウム合金、マグネシウム合金)の製造・鋳造と機能性セラミックスに関する講義、アルミニウム合金の鋳造実習及び施設見学を行いました。また、本学工学部長、副工学部長、国際交流センター長、材料機能工学専攻の教職員・大学院生、担当事務局の事務職員及びプログラム参加者、約80名が参加して歓迎会を行いました。
2日目には午前中にアルミニウム合金の熱処理・組織研究の講義と金属材料の腐食・紡織に関する講義を行い、午後にはアルミ合金の電子顕微鏡用試料の作製と透過型電子顕微鏡による組織観察の実習を行いました。
3日目には地域のアルミニウム製造企業の見学として三協立山株式会社を訪問しました。また、午後には高岡地場産業センターで鋳造実習を行い、錫の杯を作製しました。
4日目には地元企業の株式会社梅かま、YKKAP株式会社を訪問しました。また、YKKセンターパークでファスナー作製の実習を行いました。
5日目には午前中に材料プロセス工学に関連する講義および研究室見学を行い、午後は両校の大学院生による研究発表会および討論、その後、修了証授与式、送別会を行いました。
この交流を通して、両校の大学院生の交流が活発に行われました。平成27年11月17日から21日の期間に、チェンマイで開催される、10th International Conference on the Physical Properties and Application of Advanced Materials (ICPMAT2015)には、本専攻の大学院生約20名と教員約10名が参加します。そこで、11月の再会を約束して交流を終了しました。チェンマイ大学の大学院生へのプログラムに関するアンケートでは、全員が”Very Satisfied”、次回の日本訪問も全員が”Definitely Wish”と回答していました。