2015年度活動レポート(一般公募コース)第63号
カーボンナノチューブやグラフェンの研修にも取り組む
韓国の学生と材料工学に関する共同研究を実施
東京都市大学からの報告
東京都市大学
さくらサイエンスプログラムの招へいにより、韓国・江原大学校(Kangwon National University,以下KNU)先端材料工学科の大学院生2名、学部生3名の計5名迎えて、20日間の共同研究を実施しました。
本共同研究テーマは、「ナノカーボン材料を用いたバイオセンサの開発と応用展開」で、ナノカーボン材料(カーボンナノチューブ・グラフェン)を用いたバイオセンサの試作・電気化学的特性評価、実用化を視野に入れた総合的評価、並びに学生・教員間での学術交流による韓国・日本の次世代若手研究者の国際的人材育成と輩出の促進を目的として行いました。
具体的には、KNU先端物質理工学科の鄭 求桓(チョン グ-ハン)准教授が行っている「プラズマ理工学を駆使したカーボンナノチューブやグラフェンなどのナノカーボン材料の合成とその応用展開」に関する研究と、本学の医用工学科 平田孝道教授が行っている「ナノカーボン材料を用いたバイオデバイスの創製」及び「プラズマ医療と再生医療を融合させた生体融合型バイオデバイスの創製」に関する研究を多角的に融合させることにより、実用化を視野に入れた更なる応用展開を目的とした共同研究体制の構築を目指した実験を行いました。
カーボンナノチューブやグラフェンの表面に対してプラズマアクティベーション処理を用いて化学修飾処理を施した後に上皮細胞による培養実験を行い、生体適合性の評価を行いました。さらに、培養細胞に外部から電気刺激を与えて細胞の挙動についても実験を行い、生体融合型バイオデバイスの創製に関する基礎実験テーターを得ることにも成功しました。多少の問題点はありましたが、貴重な結果が得られており、更なる実験の重要性を再確認できる良い機会が得られました。
また、成果発表会では選択した特定課題について英語による発表が行われ、短期間にもかかわらず明確かつ詳細な発表と質疑応答がなされ、本学学生に対しても研究面及び語学面において刺激となりました。帰国後も学生間ではメールの交換が行われており、交流プログラムが学生間のみならず、共同研究や国際ワークショップによる大学間の交流に繋がるものと期待しております。