2015年度活動レポート(一般公募コース)第21号 (Bコース)
東日本大震災と津波被災の状況も現地で研修
中国・台湾・韓国・インドから10名の大学生・大学院生が来所
東京大学地震研究所
さくらサイエンスプログラムにより7月5日~25日の間、10名の大学生・大学院生が来所しました。10名の所属は中国の北京大学3名、中国科学院大学1名、台湾の国立中央大学2名、国立成功大学1名、韓国の延世大学1名、漢陽大学1名、インドのインド工科大学カンプール校1名です。
参加者は成田空港に到着後、チューターを務める大学院生の出迎えを受け、来日直後から、同じ専門分野で研究を行う学生同士で親交を深めました。
地震研究所での初日に、各参加者は受入教員と顔合わせの後、教員・学生とともに個別共同研究に入りました。午後のオリエンテーションでは、小原所長からの歓迎の挨拶に続き、川勝教授による地震研究所での研究の概要についての説明を受けました。
2日目には、週末に予定されていた仙台・三陸巡検(7/11–12)のオリエンテーションとして、佐竹教授による「2011年の東日本大震災と津波」についての講義と巡検訪問先に関するブリーフィングを受講しました。
4日目には8月5日、6日のオープンキャンパスに合わせて実施される地震研究所の一般公開で発表予定の学生実験の内容が紹介され、引き続き、教員や学生との懇談会が行なわれました。
最初の週末は仙台・三陸へ、一泊二日の巡検です。一ノ関を起点に、陸前高田・気仙沼大谷海岸・南三陸・女川港・石巻日和山公園・松島海岸・仙台市若林区荒浜地区などを見学しました。建物の柱に表示された実際の津波の高さに驚き、犠牲者の慰霊碑にお線香を供えるなど、東日本大震災の影響を直に感じることのできた貴重な体験となりました。各所で震災後の復興が進んでいる様子も実際に見ることができました。巡検1日目の夜は、その日の巡検での経験および2日目の訪問先について話し合う懇談会を行いました。
プログラムの最後には、受入教員や学生の協力を得て、地震研究所内の全所員を対象に、参加者が地震研究所での個別共同研究の成果を発表するポスター発表会を行いました。発表会の前半では、各参加者が5分程度の発表を行い、後半では、研究内容をより深く掘り下げた議論が行われました。発表会後の懇談会では地震研究所の教員・研究員・大学院生と楽しく有意義な意見交換を行いました。
最終日に行われた修了式では、小原所長から、各参加者にさくらサイエンスプログラムの修了証と記念品が授与されました。
科学技術振興機構(JST)のご支援のもと、3週間という短い期間ではありましたが、参加者からは、専門分野の研究に関する新たな知見を得られただけでなく、初めて訪れた日本の文化についての理解も深めることができたとの感想が寄せられました。参加者及び当所の双方にとって今後につながる貴重なプログラムとなりました。