2014年度 活動レポート 第7号:第1陣(7) 根岸英一博士の特別授業

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第7号

根岸英一博士の特別授業

独立行政法人科学技術振興機構(JST)

7月24日の午前中、中国の高校生たちは2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一博士(米国パデュー大学特別教授)の特別授業を受けました。授業には東工大付属科学技術高等学校の2年生10人も加わりました。

まず、JSTの中村道治理事長が、「これからはネットワークがとても大切。『さくらサイエンスプログラム』を通じて、多くの人々と知り合いになってほしい」とあいさつ。続いて根岸博士が大きな拍手に迎えられ登壇しました。

根岸英一博士の講演

講演は英語で行われ、「科学者としても人間としても大切なのはABC。Aは何事にも野心的に取り組むAmbition、Bは基礎を重視するBasic research、そしてCは創造性のCreativityでもあり、触媒のCatalyst でもある」と語りました。さらに博士がノーベル賞を受賞した「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」について、その発見の経緯や内容などをゆっくりした口調で、時々、高校生に問いかけながら説明しました。

ジェスチャーを交え高校生に説明する根岸英一博士。
中国人の高校生も日本人の高校生も熱心に聞いています。
JST中村道治理事長のあいさつ
 

講演後は中国人や日本人の生徒が次々と手をあげ英語で質問。かなり専門的な内容から、「ノーベル賞を受賞した感想は?」「中国の科学者についてどう思いますか?」など、好奇心あふれる質問内容にも、ひとつひとつに丁寧に答えられていました。また、最後に「テーマを思いついてからノーベル賞を受賞するまで、34年かかりました。夢を見続けていればかならずかなう」そして「高校時代はこれからの人生のベースを築く期間。充実して過ごしてください」と高校生たちを励ましました。

中国の高校生から活発な質問が投げかけられました。

参加した東工大付属科学技術高校2年の中山晶皓君に感想を聞くと、「辞書を引きながらだったけど、化学用語を英語で勉強しておいたので、分かりました。それにしても中国の高校生は英語が上手ですね」としきりに彼らの英語力に感心していました。