さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第20号
物質・材料研究機構(NIMS)を見学
独立行政法人科学技術振興機構(JST)
さくらサイエンスプログラムさくらサイエンス・ハイスクールプログラムの第2陣で来日した高校生と引率の先生ら約50人は、7月31日午後、独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)を見学しました。
まず、同機構企画部広報室の宗木政一・工学博士よりNIMSの歴史、研究分野、最先端研究室など機構の全体が紹介されました。その後、世界に誇る最先端の研究室6つを見学し、高校生たちは興味あふれる表情で説明を聞いていました。
金属疲労マシンルーム(クリープ試験)から、分子電気コード研究、強い磁場でセラミックスの結晶方向を揃える研究、電子顕微鏡やレーザー顕微鏡でがん細胞を観測、金属シェル構造を有する有機ポリマー材料研究など、いずれも同研究機構が誇る研究内容ばかりです。
また、3・11原発事故によるセシウムの残存量の測定や除去などの最新研究の紹介には、高校生たちも大変、興味を持って聞いていました。専門性の高い高度な研究内容の説明にもかかわらず、高校生から次々と質問が出ていました。質問にどう答えたらいいか、研究者も戸惑う場面がありました。
同機構の研究者は「日本の高校生もときどき見学に来ますが、真剣さと質問の鋭さは全然違います」と驚いた表情でした。訪問した高校生の中には、中国随一の名門大学である北京大学物理学科に合格した生徒や、中国全国高校物理コンテストで首席となった生徒がいるように、選抜された優秀な生徒ばかりです。
来日した生徒たちの中から、将来、世界の科学技術のトップの研究者になる人材が出るだろう。そのような予感をさせるような見学でした。