さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第14号
在日中国大使館の汪婉大使夫人を表敬訪問
独立行政法人科学技術振興機構(JST)
中国から第2陣で来日した高校生の代表6人と教師2人は、7月28日夕、東京・六本木の中国大使館を表敬訪問し、汪婉大使夫人と楽しく歓談しました。
大使夫人はまず、「中日関係の厳しいときに来日され、大使館としても嬉しく思います」と歓迎の挨拶をし、続いて「成績優秀で選抜されて日本に招聘されたことは素晴らしい」と称えました。 「日本の先進科学を見学することは、皆さんの将来にきっと役立つでしょう」と語りかけながら、「日本は環境保護、省エネなどの技術で優れている。しかしその日本も以前は公害と環境汚染に見舞われたが、それを克服してきた。中国もこれを見習う必要があります」と語った。
さらに最近の中日関係については「交流事業が冷え込んでおり、これを少しずつ回復するように取り組んでいます。皆さんはそのようなときに来てくれたのです」と語りかけ、今後は「日本からも青少年たちが中国を訪問することを期待している」と語りました。
付き添ってきた団長の鲍康胜先生が「昨日、ノーベル賞受賞者の鈴木章博士の特別講演を聞いて科学に国境はないと思いました。生徒たちも非常に勉強になりました。これからの中国は、外国からの知識を受け入れ、イノベーションをおこしていきたい」と決意を語っていました。
訪問し高校生の一人は「東京の街の様子はきれいです。分別ごみを見て中国も見らなうべきと思いました」と語り、男子高校生は「日本は交通ルールがきちんと守られているように感じました。緑もいっぱいあると感じました」と新鮮な感想を語っていました。
大使夫人は、「中国の青少年は外国へ出ることに意欲的であり、日本は逆にあまり出たがらない傾向があります。中国では激しい競争をして勉強ができても、日常の生活では整理整頓ができません。中国はバラバラですが、日本は計画的に物事を進めます」など中日間の文化の違いなども語って聞かせました。
また「学校の成績だけよければいいというのではダメです。道徳的な考えや規律がとても大事です」とわが子に言い聞かせるように語っていました。そして自身が東大に留学して学んだ体験や、日本の大学に留学する際の国立と私立の違いなどについても分かり易く解説してくれました。
終始和やかな雰囲気で会話が弾み、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
同行した沖村憲樹さくらサイエンス推進室長は、「この事業が実現したのは中国側の協力があったからです」とお礼を述べ、これからもさらに発展するよう取り組む決意を語りました。