2014年度活動レポート(一般公募コース)第88号
中国・浙江大学の大学院生4名が東京理科大学で共同研究 その2
東京理科大学理学研究科
8月30日に三浦半島で微生物の採集実験を行いました。京浜急行久里浜線の終点・三崎口駅から徒歩20分程度にある黒崎の鼻は散歩コースとしてよく知られますが、干潮時には岩場がむき出しになるため、岩の表面などに生息する微生物を採集するには格好の場所です。
数日前から雨が続き、実験当日朝もまだ降っていました。現地に着いた時点で天気が悪ければあきらめるつもりでしたが、12時頃には雨がやみ、予定通り採集を行うことができました。
9月1日に理化学研究所の研究室見学を行いました。見学先は、共同研究の可能性がある分野の近い研究室に絞り、実践的なお話を伺いました。共通する部分もある研究テーマですが、扱っている微生物が違ったり、実験の道具立てが違います。
招へいした中国人大学院生のほかに、日本の学生3名も同行し、さまざまな議論を行いました。
番外編として、理化学研究所から大学に戻った後、神楽坂の和風居酒屋で懇親会を行いました。懇親会では、中国特許を専門とする弁理士、幼稚園の経営者で寺の副住職という方など様々な人々と交歓ができました。
共同研究は、中国側の研究室(化学工学)で作成している基板試料を日本で作製し、日本側の研究室(生物物理学)で培養している微生物を基板表面で培養するという実験が主な内容でした。
また三浦半島で採集した微生物試料は、すぐ実験に使うわけにはいきません。今回採集したものは後日使うことにして、実験室での培養実験にはあらかじめ日本側で採集して単離、予備培養しておいた株を用いました。
培養実験が完了するのにはもう少し時間がかかるので、日本の学生が評価実験を行って後日報告することになっています。途中の結果が見たいということで、大学を去る当日に培養途中の試料を簡易に評価してみたところ、期待通りの結果が出つつあることがわかりました。
今回の招へいを一時的なもので終わりにせず、今後の共同研究や、日本の学生が中国訪問するなどの交流の土台ができました。
招へいにあたり、科学技術振興機構(JST)はもとより、東京理科大学の事務スタッフや研究室の学生の皆様に多大なご協力をいただいて成功裏に計画を遂行することができました。この場を借りて感謝を申し上げます。