2014年度 活動レポート 第55号:北海道大学

2014年度活動レポート(一般公募コース)第55号

ホーチミン市工科大学の学生が、持続可能な資源工学の講義・実習を体験

北海道大学

さくらサイエンスプログラムの招聘によって、ホーチミン市工科大学の地質・石油工学部環境地質学科の3、4年生が、8月26日(火)~9月3日(水)の日程で、来道しました。

ベトナムではあまりなじみのない持続可能な資源工学に関する講義、演習、実験を2日間北海道大学で実施しました。とくに、採鉱、鉱物処理、鉱山環境に関する講義を受講した後に、これと関係する道内の諸施設を訪問し、実操業の状況を見聞しました。

まず資源地質の勉強、岩石、鉱物の判定に四苦八苦でした。

釧路コールマインでは、海底下における効率的で安全な、長壁式採炭法と呼ばれる石炭の採掘方式を目の当たりにし、全員関心した様子でした。また、地上にある選炭工場では、多くの分離技術を駆使したプロセスに感銘を覚えたようです。

いざ海底炭鉱へ、イイカ!ヨシ!

鉱物処理実験にも挑戦。


王子製紙苫小牧工場では、日本最大の、古紙を新聞紙へと再生する行程を見学し、リサイクル技術の高度さに全員感心しました。さらに、豊羽鉱山堆積場にある坑廃水処理施設では、閉山後も坑廃水の処理を100年にもわたり継続しなければならない問題を実感したようです。

豊羽鉱山坑廃水処理施設シックナー、ここで固液分離するの?

リサイクル施設や坑廃水処理施設は、まだベトナムにはなく、今後の環境負荷の低減、環境浄化のためには、このような技術が必要であることを実感したようです。
北大および道内の3つの施設で習得したことは、最終日に開催された最終発表会で感想などを含めて紹介され、持続可能な資源工学に関する技術が、将来的にはベトナムで生かすことが重要であることを十分に理解したと感じられました。

最後は報告会にて発表、みんな緊張気味でした。

技術的なこと以外にも、道内最大の温泉郷である定山渓温泉に宿泊し、日本の温泉文化を体験するとともに、札幌市内のスキージャンプ競技場へ足を運び、ウィンタースポーツの醍醐味を実感しました。北海道のジンギスカンのほか、すし、刺身などのシーフードも堪能し、北海道の食文化を堪能しました。

札幌近郊の定山渓温泉にて日本文化を満喫。浴衣が似合っていました。

ベトナムの技術者の卵が経験した今回の経験が、将来の自国の発展、さらには日本との友好関係、協力関係の構築につながることを期待します。