2014年度 活動レポート 第25号:山形大学工学部(2)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第25号

4か国12人が参加した山形大学工学部のサマープログラム その2

山形大学工学部国際連携サマープログラム2014

タイ・マレーシア・中国・台湾の協定校から12名の学生を迎え、本学工学部の学生らと共に学ぶ「山形大学工学部国際連携サマープログラム2014」が開催されました。

7月30日(水)から8月1日(金)にかけての3日間は、山形大学大学院理工学研究科9専攻(機能高分子工学・物質化学工学・バイオ化学工学・機械システム工学・電気電子工学・情報科学・応用生命システム工学・ものづくり技術経営学・有機デバイス工学)の研究紹介が行われ、専門に関する講義や、研究室見学が行われました。また、最先端の研究施設も2か所見学しました。

1つ目のソフト&ウェットマター工学研究室(古川英光研究室)では、ゲルに着目した3Dプリンターについての説明を受け、その実用の可能性について学びました。
2つ目の有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)訪問では、有機エレクトロニクス分野における先端技術を自分たちの目で見、研究と産業との連携などについても認識を深めました。

写真1 機能高分子に関する英語での講義を日本人学生とともに受講しました。
写真2 3Dプリンターで作られた模型を実際に手に取り、興味深く見つめる協定校生
写真3 有機エレクトロニクス分野における先端技術の実証研究拠点、
有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)を訪問しました。

大気汚染から水の問題まで講義と討論

8月4日(月)・5日(火)、協定校の学生12名と本学の学生15名の計27名が山形蔵王において「環境問題と、工学を学ぶアジアの私たち」をテーマに、ワークショップ形式の合宿を行いました。

まず、本学大学院理工学研究科電気電子専攻の南谷靖史准教授による「電気で守る地球環境と健康」についての講義を聞き,大気汚染,水質汚染について,そして来日した学生にも日本から渡航する学生にとっても外国で気になる飲料水の問題について考えました。水処理はオゾンを利用した高度水処理技術についての講義を聞き、知識を深めました。

また,PM2.5のような粉塵を捕集できる電気集塵器の実験装置を研究室から館内に持ち込み、実際に線香の煙を捕集することで、その仕組みについて観察しました。

午後の休憩後は、機械システム工学専攻の安原薫助教による「環境問題と技術者倫理」に関する問題提起の講義で始まりました。そして、この講義を一つの刺激とし、グループごとにグローバルな視点から、技術者が果たすべき責任や各国が抱えている環境問題について話し合いました。

写真 環境問題と技術者倫理について問題提起がなされ、グループごとに各国の環境問題事情や、解決策について話し合いがなされました。
写真 ほんの短い時間でしたが、蔵王にて自然も満喫しました。

ポスター発表会で有意義な学術交流

今や環境問題も1国だけでは解決できない時代となっており、学生はそれぞれの国の環境問題の現状、慣習や経済的、技術的背景を理解しながら、列挙された問題に対し、アジアに住み、工学を学ぶ私たちがどう取り組んでいくべきなのかを話し合いました。
翌朝は短い時間でしたが、リフトで蔵王の鳥兜山(とりかぶとやま)の山頂まで行き、自然豊かな山形の素晴らしさを体感しました。

8月6日(水)は山形大学での最後の日でした。合宿で話し合ったことや、プログラム中の環境に関する学習から得たことをグループで一つのポスターにまとめ発表する発表会を行いました。

当日は、関係教職員だけでなく、期間中に関わった本学学生や留学生、週末にお世話になったホストファミリーの皆さんも駆けつけ、多くの聴衆を前に自分たちの意見を英語で述べました。

写真 グループごとのポスター発表会には多くの方が参加し、熱心に耳を傾けてくれしました。
写真 優秀賞に輝いたBグループの皆さん。おめでとうございます。

終了後は、発表者・聴衆者全員による優秀発表の投票が行われ、“The role of engineers in a global society”と題し、発表したグループBが受賞しました。プログラム実行委員長より賞状と昨年本学の留学生が作成した山形名所巡りカレンダーなどが授与されました。

写真 JST「さくらサイエンスプログラム」及び山形大学から修了証書が授与されました。
写真 参加学生と本プログラム実行委員の教職員「充実した毎日でした」