2014年度活動レポート(一般公募コース)第177号
フィリピン、インドネシアの地熱関連研究者と交流
総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員 増原直樹
2014年12月3日(一部メンバーは1日)~12月9日にかけて、フィリピン、インドネシアの両国から各5名、計10名の優秀な若手研究者を招へいしました。九州大学及び総合地球環境学研究所などを拠点として、地熱エネルギーに関する視察、研修を実施しました。
フィリピンからの招へいメンバーは、フィリピン大学関係者を中心に大学生から教員まで20代が中心の構成となりました。また、インドネシアからの招へいメンバーはインドネシア国立科学院関係者を中心に、大学院生から教員まで幅広い年齢構成となりました。
プログラム1日目:12月3日(水)
招へいメンバーが福岡空港に到着し、宿泊先ホテルで受入れガイダンスを開催しました。ガイダンス項目は、今回のスケジュール詳細の説明と日本における滞在の注意点、引率役となるドイツ人留学生から見た日本の印象など、できるだけ招へいメンバーの視点に立った内容を心がけました。
プログラム2日目:12月4日(木)
地熱エネルギーに関する幅広い研究成果を学ぶために、九州大学工学部地球資源工学科が主催する「地球科学・技術国際シンポジウム2014」に参加し、フィリピンからポスター4本、インドネシアからポスター2本を発表し、フィリピンメンバーのうち1名が「最優秀ポスター発表賞」を受賞しました。
プログラム3日目:12月5日(金)
3日目は午前中が研修、午後が視察という流れで地熱を含む幅広いエネルギー問題について学習を深めました。
午前中は、九州大学へ留学しているフィリピン人大学院生、九州大学でポスドク研究員を務めているインドネシア人研究者、国際的に活躍する地熱コンサルタントの3名から講演・報告がありました。
また、午後は、九州大学・西島助教のご案内で、福岡県新宮町にあるIKEA福岡新宮店の地中熱利用システムや福岡市内のスマートエネルギーハウスを視察しました。
プログラム4日目:12月6日(土)
4日目はバスで、大分県九重町にある「九州電力八丁原地熱発電所」を見学しました。当日はあいにく現地周辺で降雪の天候となりましたが、雪を初めて見る参加者もおり、寒い屋外でも熱心に地熱発電所の様子を視察してきました。
プログラム5日目:12月7日(日)
5日目は午前中に福岡市から京都へ新幹線で移動し、夕方に総合地球環境学研究所で、地熱を含む再生可能エネルギーの推進策について、NPOの研究者やメンバーからレクチャーを受けました。
プログラム6日目:12月8日(月)
実質最終日となる6日目は、総合地球環境学研究所において、同研究所のスタッフもまじえ、総括ワークショップを開催しました。
ワークショップは自由な発想を刺激するために、「ワールドカフェ方式」を採用し、今後、地熱エネルギー利用を促進するために何が必要か、日本の研修で何が最も印象に残ったか、といった論点で全員参加の議論を深めました。