マレーシアにおける新型コロナウィルスの状況

マレーシアにおける新型コロナウィルスの状況

 新型コロナウィルスはかなり甚大な影響を及ぼすウィルスです。2019年12月に初めて発見されてからわずか数ヶ月で世界範囲において感染を巻き起こしたこの新型ウイルス。私が日本の麻布大学で開催された「さくらサイエンスプログラム」に参加している間に、中国の武漢がロックダウンされたことが速報で伝えられたときのことを今でも鮮明に覚えています。 帰国後、すぐに世界保健機関(WHO)は新型コロナウィルスを世界的な公衆衛生上の緊急事態と正式に宣言しました。

 マレーシアは1月25日に、2020年1月23日にシンガポールからジョホール経由で3人の中国人観光客がマレーシアに入国した際に、新型コロナウィルスの感染確認し、これが国内における新型コロナウィルスの感染第一例目でした。2月16日までには22人に増加したため、これが第1波となります。その後、1,000件を超える感染者数を生み出した第2波が始まったため、政府は3月18日から3月31日までの2週間、移動規制令(MCO)を発令しました。現時点(4月22日)では、4月28日までに終了する第2次MCOの段階に入っています。

 現在までの新型コロナウィルスの感染者は合計5,532名で、死亡者数は93名、そのうち約3,452名が回復しました。4月22日には、がんと高血圧の既往歴のある72歳のマレーシア人女性の死亡が報告されました。現在、集中治療室(ICU)で治療を受けている患者は43人で、そのうち25人が人工呼吸器を必要としています。

 症例数の分布については、MCOが施行されて以来、いくつかの地区で新規感染者数はゼロを維持しています。MCOの実施は、マレーシア全土でのウイルスの蔓延を劇的に減少させ、新規感染者を減少させることを目的としています。MCO以来、政府および私立の学校、大学、高等教育機関、政府および企業(金融サービス、宅配便、ガソリンスタンド、病院、診療所、薬局、テイクアウトレストラン、スーパーマーケットなどの「必要不可欠なサービス」を除く)はすべて閉鎖されています。また、マレーシア人の海外旅行や外国人のマレーシアへの入国も制限されています。不要不急な外出や、宗教、スポーツ、社会活動を含む公共の場での集会なども制限されています。

KFCにおけるソーシャルディスタンス
テイクアウトのみ営業

 3月18日からMCOが施行されたとき、マレーシアの人々は、これらの制限による経済的コストの増大で、極度の不確実性の中で生活してきました。政府はどうにかして、マレーシア人の社会福祉向上を目的とした2つの景気刺激策を導入し、2500億リンギット相当の経済対応策を導入しました。

 個人的には、このパンデミックは多くの人々のライフスタイルを確実に変えました。学校が休校に追い込まれた場合、親は子供の教育を引き継ぐ必要がありますが、同時に「家庭での仕事」とのバランスを取る必要があります。新たなテクノロジーのおかげで、教師はGoogle Classroomなどを通じて、対面授業や課題を生徒に届けることができるようになりました。

 私たちの大学の場合は、学期が延期され、2020年6月に学生が復学することになっています。この4週間、多くの学生が大学(実際にはマレーシア全土の大学)に引きこもっており、ありがたいことに今のところ学生の間ではクラスター感染は起こっていません。新型コロナウィルスは2021年の四半期まで収束しないと予測されているため、講師陣には全ての授業をオンライン講義などの方法を用いることを検討するよう提案されています。また、このようなリモートワーク環境を取り入れようとしているので、ミーティングも全てオンラインで行っています。

 あと数日でMCOも終わりを迎え、イスラム教徒は今週の金曜日にラマダンを迎えます。個人的には、当たり前のことを当たり前にしてはいけないと思っています。またMCOの解禁に向けての準備も皆できていないと思います。感染者による州間移動のため、ネゲリ・センビランとジョホールでは新型コロナウィルスのクラスター感染がいくつか発生しており、人々は特にこの時期の旅行や集会を控えるべきです。

 この非常に厳しい現実の中で、我々は通常の生活に戻ることは不可能と思われ、多くの人にとっては大変な数週間となりました。私たちは、このウイルスが長期間存在するかもしれないという現実を受け入れなければならないと同時に、何度もウィルスの感染拡大が繰り返されるかもしれないという事実を認識する必要があります。それでも人々が手を組み、政府の規則を遵守し、協力し、自分自身と家族の安全と衛生を維持することで、どんな難題でも私たちはそれを克服することができます。

学校で作ったポスターを見せてくれた僕の子供たち

Rozaihan Mansor
2020年4月22日

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、下記の英語原文をご参照ください。

COVID-19 situation in Malaysia
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