インドにおけるCOVID-19パンデミックの状況

インドにおけるCOVID-19パンデミックの状況

Dr. Vitthal Dhaygude
KNP獣医科学大学(マハラシュトラ州シルワル)
マハラシュトラ動物水産科学大学(ナグプール)

 2019~20年のコロナウイルスのパンデミックの最初の症例は、中国を起源とするもので2020年1月30日に報告されました。 2020年5月19日時点で、インドの保健・家族福祉省は全国で合計101,139人の感染者、そのうち39,173人が回復、3,163人の死亡を確認しています。また、現在の重症患者は58,802人です。(https://www.mohfw.gov.in/

 ほとんどの感染者はマハラシュトラ州(州都ムンバイ)で報告されており、それにグジャラート州、デリー市(国の管轄地)、マディヤプラデーシュ州、ラジャスタン州、ウッタルプラデーシュ州、タミルナドゥ州、そしてその他の州の順となっています。

 COVID-19に対するインド政府の対応は先制的、積極的、そして段階的なものになっています。政府は当初から公衆の健康危機対応の一環として、スクリーニング、検疫、また監視に関する包括的で強固なシステムを導入するために迅速な行動をとりました。また、政府は感染防止のためのガイドラインを策定し、市民の間で広まっています。

これまでの様子

ムンバイにある観光名所「インド門」での混雑

ロックダウン下の様子

ロックダウン中の閑散とした「インド門」
ムンバイの海岸道路の混雑
車の通っていない海岸道路

 インドは1月21日に中国から到着する乗客の体温検査を開始しました。2月に入り、同検査はタイ、シンガポール、香港、日本、韓国からの乗客にも拡大され、2月末には、ネパール、ベトナム、インドネシア、マレーシアが追加されました。

 3月17日にインド政府は、3月31日までに実行する予防戦略として、社会的距離を確保する措置を講ずることを全ての州に要請する勧告書を発表しました。3月22日に、インド政府は感染の確認が報告されている22の州と国の管轄地の82地区を3月31日までに完全にロックダウンすることを決定しました。さらに政府は3月24日に21日間の完全な国全域にわたるロックダウンを発表しましたが、それは5月3日まで延長されました。(第二期ロックダウン)続いて政府は5月3日~5月17日までの第三期ロックダウンを発表し、そして現在は5月30日までの第四期ロックダウンが実行されています。

 学校、大学、オフィス、労働場所、市場、ショッピングモール、公共エリアなどは閉鎖されています。全てのスポーツイベント、集会、会議などは中止となりました。バス、電車、航空便など全ての輸送手段は、ロックダウン中は完全停止となりましたが、政府は、社会的距離を確保するためのガイドラインに反している人々に対しては法的措置をとっています。この期間中でも、重要で緊急なサービスだけは継続されています。

 一方、第二期ロックダウンの後、全ての感染者数と新規感染者数について、主要都市の地区と全体の地区をレッド、グリーン、オレンジに色分けして指定しています。色分けの基準は詳細に明記されており、グリーンゾーンでは患者が少ないかゼロ人の状況のため、ある程度の活動は許されています。

 貧困者のためには1,700億ルピー(約2,500億円)の救済パッケージが割り当てられており、政府が適切と判断した場合に支出されます。また、政府によって、全ての必要とされる施設を支援し、市民に提供するための計画が立ち上げられました。さらに、ロックダウン中は、州政府も市民に対してあらゆる支援を提供しています。

 同時にインド政府は、このパンデミックの拡大を押さえるために検査・監視、検疫や治療のための施設を強化しています。

 私たちの大学において、病院と家畜農場での活動は最小限の職員で続けています。学生は自宅にいて、ほとんどの学部は在宅勤務となっています。この期間は、学生のためにビデオ会議のアプリを利用したオンライン講義が行われています。学部では、学生のメンタルヘルスを維持するためにソーシャルメディアを通して定期的に学生と連絡をとるようにしています。

 経済的損失については、ほとんど全ての分野が悪影響を受けていますが、正確な金額は未だ算出できていません。

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、下記の英語原文をご参照ください。

Report on Situation of COVID-19 Pandemic in India
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