アルゼンチンにおけるCOVID-19の状況:概要分析

アルゼンチンにおけるCOVID-19の状況:概要分析

2020年4月20日

 中国武漢でのコロナウイルスの最初の症例は、2019年末にWHOに報告されました。その瞬間から全ての国が新たなグローバルな問題、つまり多数の人々が感染し、死に至らしめる新ウイルス蔓延に対する警戒状態に置かれました。

 2か月後、新コロナウイルスがアルゼンチンにやってきました。

 我が国での最初の症例は2020年3月3日に確認された、イタリアを訪れた43歳の男性でした。翌日、いくつかの州で疑わしい事件が発表されました。 3月5日には、すでに2番目の症例が確認されました。症例数は増加し、残念なことに3月7日にアルゼンチンでCOVID-19による初めての死亡例が報告されました。

 世界中で発生していたCOVID-19の状況に直面し、ラテンアメリカに、そしてアルゼンチンにやってくる前に、予防策を講じられていました。大統領は3月16日に学校の閉鎖を命じ、3月20日には強制検疫を行いました。(その日までに158人が感染し、3人が死亡していました) 1週間後の3月27日、政府は国境、空港、港を閉鎖しました。

閑散とした公園

 サッカー試合の中止、在宅勤務の推進、衛生対策の強化、マスクの必須使用、研究プロジェクトへの融資、急を要する家庭への経済的支援などが対策として追加されました。

 これらの対策の目的はウイルスの蔓延を最小限に抑え、人の密集と医療崩壊を防ぎ、米国、スペイン、またはイタリアで起こっている事態を防ぎ、なんとか感染曲線を平坦化することです。現在、アルゼンチンは直線的な推移を遂げていて、これまでに計3,031人が感染、142人が死亡という状況で、これまでの対策が効果的であることが示されています。

 対策は適切であったにもかかわらず、ある領域での欠陥を示しています。問題は人口の最も脆弱な地域に何が起こるか、そこに本当の問題があります。

 隔離政策は、ほとんどの経済活動の停止をもたらしました。多くの人々にとって隔離期間中に家を出ないことは不可能です。さらに、最も脆弱な地域では道端に住んでいる人もいれば、過密状態で住んでいる人もいます。また、一部の家のインフラの問題、水道や衛生設備の不足、予防策として強調されている手洗いなどの基本的な衛生対策が不十分な状態です。

ソーシャルディスタンス

 政府は育児手当や非正規労働者のための緊急手当($ 10,000アルゼンチンペソ)などの支払いを強化していますが、基本的な生活を送るのに十分ではない家庭も存在します。

 INDEC(国立統計調査機関)によると、2019年末の時点で、アルゼンチンの人口の35.5%が貧困状態にあり、緊急事態発生時にその数は増加すると予測されています。

 結論として、政府は適切かつ早期の衛生対策を講じていますが、この状況は以前から存在していた社会経済ギャップをますます露呈させ、深刻にしています。衛生対策の実行を強制することにより、経済発展に更にブレーキをかけている状況です。

 私たちは世界中で今、起こっていることから学び、英知を得ることができると私は願っています。私たちは時間が鍵であることを学びました。この状況は国の中で最も脆弱なエリアを考慮に入れ、全国民に平等に届けられる早期の対策を講じて、将来のパンデミック発生時には有効な実例となるでしょう。

 私たちは目に見えない敵と戦っています。このような状況下でより強くなるためには、私たちは連帯し、社会的責任を共有しながら団結していくことが不可欠です。

アミ・ワタナベ

さくらサイエンスプログラム参加者

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、下記の英語原文をご参照ください。

Situation of COVID-19 in Argentina: brief analysis
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