日中大学フェア&フォーラム 開催報告&レポート

【速報】日中大学フェア&フォーラム in China 2014 - #02

2014年03月16日 倉澤 治雄(中国総合研究交流センター 副センタ―長)

「産学連携が拓くグローバルイノベーションの扉」のテーマで盛大にフォーラムを開催

 今年最大の日中学術交流イベントである「日中大学フェア&フォーラム in CHINA」は3月15日、16日のフェアに引き続き、19日に北京の首都大酒店で「フォーラム」が開催された。今 年のフォーラムのテーマは、「産学連携が拓くグローバルイノベーションの扉」で、国際産学連携や日中を初めとするアジアの頭脳循環を視野に入れて、学長・副 学長クラスのハイレベルの専門家によるシンポジウムが開催された。

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 主催者の独立行政法人科学技術振興機構の中村道治理事長の開会宣言のあと、木寺昌人日本大使があいさつを行った。木寺大使は、「日中関係は深く、幅広くなっている。先人が築いた日中関係は壊れないし、壊 してはいけない」と日中関係の重要性を強調した。

 また2010年のノーベル化学賞受賞者根岸英一パデュー大学特別教授が特別後援を行ったほか、有馬朗人元文部大臣が、40年以上にわたる日中の科学技術交流の歴史を紹介した。

 午後のシンポジウムは4つのセッションに分かれて、専門家が意見を戦わせた。

 セッション1の「産学連携における国の施策と支援制度について」では、中国研究者が、「中国では科学技術は功利的側面が強調されることが多く、産学連携を進めるにあたっては、大 学に収益を100%還元している」などと、語った。

 セッション2の「国際産学連携」に関するシンポジウムでは、日本と中国が技術面では「ほぼ対等になった」と評価、今後の国際産学連携への期待が示された。

 セッション3の「大学工学部はいかにあるべきか」を問うシンポジウムでは、日本側研究者から「日本では企業連携するインセンティブが働かない」と問題提起が行われ、モ デレータの松本洋一郎東京大学副学長から、「日中間で企業と大学が連携するためのプロジェクトをJSTが作ってはどうか」との注文が出された。

 セッション4の「頭脳循環の強化」に関するパネルでは、これからの大学はグローバル化が前提であり、「大学が共同して人材を育てる段階に入っている」と、高 度人材の育成強化が世界共通の課題であるとの認識が示された。

 参加者は日中双方の大学、研究所、企業などから500人以上が詰めかけ、議論に耳を傾けていた。