同済大学TONGJI UNIVERSITY
大学概要
同済大学の前身は、1907年にドイツ人医師・Erich. Paulunによって上海に創設された徳文医学堂で、1927年に国立同済大学となり、政府の認可を経て初めて設立された国立大学7校の1つとなった。中国政府が重点的に投資する「985プロジェクト」と「211プロジェクト」に指定された教育部(省)直属の大学で、工学、理学、医学、管理学、経済学、哲学、文学、法学、教育学、芸術学の10学科を有する。これまでに、政治、科学技術、教育、企業、医学、工学などの各分野に30万人以上の卒業生を送り出しており、また中国科学院・工程院の院士140人あまりを輩出している。
出展大学の産学連携の仕組みなど
同済大学は「祖国と共に歩み、科学教育で世界に貢献する」との伝統を受け継ぎ、強みを持つ学科の波及効果を常に重視し、社会還元の形式と分野を絶えず開拓することで国および地方の社会建設に積極的に貢献してきた。北京五輪の会場建設、四川大地震の災害救援や復興、上海万博の会場計画・設計など、国の重要な戦略的ニーズに力強い技術的サポートを提供したほか、多地域・多層的かつ様々な形式の科学技術協力を展開し、地方経済社会の発展を支えてきた。地方政府と共同で「環同済知識経済圏」の構築を推進している。2005年に30億元(1元は約20円)以下だった生産高は2013年には220億元以上に達し、「3区融合、共同発展」という、大学・地方協力のモデルを打ち立てた。
出展分野
出展内容
高透過性通信機器WCDおよび高精度測位アルゴリズムDWELT
高透過性通信機器WCD:磁気誘導の原理に基づき研究開発されたもので、数百メートル以上の媒質(土壌、岩層、鉱層、水や氷など)を隔てても通信が可能。従来型のワイヤレス技術(Wi-Fiや3G、4Gなど)では通信できない場所で、あるいは中継ノードとして利用でき、モノのインターネット(IoT)の活用範囲を広げるのに役立つ。WCDは2014年中国国際工業博覧会・大学部門の特等賞を獲得している。
動的重み付き進化に基づく位置追跡アルゴリズムDWELT:任意の2つ以上の無線APを利用し、高精度の測位を行う。その理論的な測位精度は1メートル以内(現在、Android携帯による測位精度は3メートル以内)。DWELTアルゴリズムの測位の実測値は、市場で一般的に見られる位置指紋に基づく測位アルゴリズムを上回り、位置指紋法による測位に必要となる大量のテストプロセスも不要となる。さらに、同アルゴリズムは一般的な測位アルゴリズムに必要な無線AP間の情報交換が不要で、簡単・迅速・精確といった利点を持つ。
応用領域:
- WCD:鉱山における救援通信。新興のモノのインターネット(IoT)市場。
- DWELTアルゴリズム:室内での測位、ショッピングモールのナビゲーション、電子地図、車載ネットワーク搭載車両の衝突防止と車両間の相対的な測位など。
植物繊維強化複合材料の高性能・多機能化研究および試験的応用
植物繊維は自然に由来し、軽量かつ経済的で、独特な力学的性能や、保温・断熱・環境保護などの強みを持つ。植物繊維の独特な化学成分、多層・マルチスケールのミクロ的構造を十分に活用し、高性能かつ多機能の植物繊維強化複合材料を開発・使用することには重要な意義がある。本プロジェクトは基礎的材料の高性能改良、繊維表面処理技術、複合材料の成形・加工改良、ナノテクノロジー、および混合などの技術により、植物繊維強化複合材料の強度・剛性・強靱性などの力学的性能、また音・熱・電磁などの物理的性能を高めた。ゼロハロゲン・ナノ難燃技術を開発し、植物繊維強化複合材料の難燃性を航空機材クラスまで引き上げた。
応用領域:新エネルギー車の外観部品、航空機内の構造部材、地下鉄・都市鉄道の車両内の構造部材、公共事業など。