江西省科学院JIANGXI ACADEMY OF SCIENCES
大学概要
江西省科学院は1958年に創設された江西省人民政府直属の唯一の総合自然科学研究開発機構である。職員は現在500人余りを数え、このうち高級専門技術者は133人。科学院の下には、生物資源研究所と微生物研究所、エネルギー研究所、応用物理研究所、応用化学研究所、科学技術戦略研究所の6カ所の省属独立研究所、ハイテク開発センターとコンピューター研修センター、コンピューター情報センター、食品工学革新センター、低炭素経済研究センター、ハ陽湖研究センターの6カ所の研究開発センターを設けている。バイオ工学や精密化学工業、新材料、植物優良種の繁殖・生育、新エネルギー・エネルギー、電子情報、生態・環境保護などの分野で一定の優勢と特色を形成している。
出展大学の産学連携の仕組みなど
江西省科学院は毎年、産学研・成果転化・拠点建設に毎年2700万元の特別資金を投じ、重要な科学技術成果の企業における移転・転化や産学研協力、モデル拠点の建設の資金援助に用いている。2009年から2014年までに産学研プロジェクト52件を資金援助し、産学研プロジェクトを実施した。その結果、科学技術成果72件の移転・転化を実現、江西省の企業に直接的・間接的な経済効果として5億7800万元をもたらし、企業の新たな売上総利益7400万元余りを実現した。そして150人の雇用創出と企業の技術サービス費1871万元を獲得した。
出展分野
出展内容
ハイエンド大口径肉厚シームレス鋼管短工程製造新技術・設備
中国江西省科学院と江西世星新材料科学技術有限公司が組織した産学研革新チームは10年近くの研究開発を経て、自前の知的財産権を備えたエレクトロスラグ溶接によるハイエンド大口径肉厚シームレス鋼管製造の新技術と設備の開発に成功した。鋼管の品質は同様の材質の鍛造物や押出物の水準に達した。現在の工法と比べた場合の特長としては次の点が挙げられる。
1、短工程、高効率、エネルギーと材料の低消耗。エレクトロスラグの直列成形を取るため、鍛造・ボーリング・押出の工程を省くことができ、生産効率が大きく上がった。同時に、粗材を繰り返し加熱することによるエネルギーの消耗や材料の損失、ボーリングによる材料の浪費を大幅に減らすことができる。
2、設備投資費用が低い。巨大トン級の押出・鍛造設備投資の必要がなく、自主開発したエレクトロスラグ連結設備製造費は低コストなため、同等の生産規模で投資を70%から80%節約できる。
3、生産コストが低い。進んだ短工程工法技術を使い、エネルギーと原材料の消耗が大幅に縮小された。また設備投資と鋳型の費用が大きく減少され、生産コストが大きく下がった。
応用領域:火力発電、原子力発電、石油化工、大型海洋設備などの産業
藤茶の活性成分の抽出分離、構造改造、薬物ベクター構築
バイオ医薬分野のプロジェクト。現代の薬理研究によると、藤茶の抽出物には、抗酸化・抗腫瘍・抗ウイルス・広域スペクトル抗菌・血糖値低下・血液脂質低下などの作用がある。本プロジェクトではこれに基づき、藤茶中のフラボンや多糖類などの活性物質を同時に取り出す低温-超音波特許技術が開発された。この技術は、短抽出時間、低抽出温度、高抽出効率、また抽出物の性状と活性が良好に保たれるなどの特長がある。また設備に対する要求も低いため、大規模な連続生産が可能となる。同時に、活性成分に対する構造修飾と薬物ベクターの構築も行われ、新たな機能性食品が開発された。さらに臨床治療に使える新たなリード化合物も発見された。
応用領域:バイオ医薬
LED光源植物工場・家庭用野菜栽培箱
LED光源は、農業における大きな応用潜在力を持っている。本プロジェクトではLED光源植物工場と家庭用野菜栽培箱が研究され、LED光源を人工光源として利用し、野菜の植物工場の大規模生産が行われた。LED光源の家庭野菜栽培箱は、現代都市家庭の植物へのニーズを満足させ、食用と教育の機能を兼ね備えるものとなっている。
応用領域:現代農業
微細藻類の遺伝子工学改造技術と製品開発
本プロジェクトは、現代バイオ工学技術を応用し、新たな高付加価値の微細藻類の新品種や新種族を開発するものである。微細藻類の光合成の生物化学プロセス(カロテノイドやアスタキサンチンなどの生物合成)とその環境ストレスに対する応答メカニズム、応用技術が研究された。また微細藻類を応用して生産されたフォトリアクター設備は、LED応用と結びつけることで、フォトリアクター系統の応用生産プロセスにおける核心的な技術問題、例えば藻細胞の光合成培養器の酸素蓄積、二酸化炭素の有効供給と利用、閉鎖チューブの内壁の汚泥、全天候工業化生産のエネルギー消費などを解決した。
応用領域:バイオ医薬