華東理工大学
上海華東理工科技園有限公司(以下「科技園」)は、華東理工大学(上海)や上海創業投資有限公司、上海徐匯国有資産投資経営有限公司、上海市徐匯区の華ジン鎮(ジン=さんずいへんに巠)などが共同投資して、2003年に設立された。そして、2005年11月5日、科技園は中国教育部と科学技術部の審査に合格し、中国で48カ所目の国家大学サイエンスパークとなった。2007年には品質マネジメントシステムの国際規格・ISO9001の認証を取得した。
科技園は中国教育部や科学技術部の計画の要求に従い、情報産業や生物医薬、材料・化学工業など上海市の重点ハイテク産業に特に焦点を合わせ、「研究開発(R&D)環境の提供社」を市場での立場、「1つのサイエンスパークが多くの拠点を有する」という発展方式、市場化や専門化、規範化、国際化を運営方針にし、科技園の物理的空間を絶えず拡大、建設してきた。また、株主企業の資源の優位性を活用し、社会資本を呼び込み、企業や研究開発機構、創業期の研究開発企業に専門的な発展空間や成長の舞台を提供。各種科学技術イノベーション資源が科技園のエリア内に集まるよう促がしている。
科技園は華東理工大学を中心とし、入念に計画したうえで、「中国の理科技術イノベーション地帯」の建設・構築に力を注いでいる。これまでに建設に参加したり、管理を請け負ったりしている園区には、華ジン基地(一期‐四期)、龍華基地、梅隴基地、浦原基地、G7軟件(ソフト)基地などがある。現在、科技園が直接管理している園区の総面積は10万平方メートル(=東京ドーム約2個分)で、200社近くが入居している。2011年、園区内の企業の総生産額は70億元(約840億円)だった。園区内では科学技術プロジェクトを転化した産業チェーンが形成されつつあり、創業期初期のインキュベーター企業のほか、成長期の中小型科学技術企業や米誌フォーチュンが毎年発表している世界トップ企業500社に入っている企業、大企業の研究開発機構などもある。華東工業サイエンスパークはニューヨーク証券取引所に株式上場する企業2社や上海市のリトルジャイアント企業(政府によるハイテク商品開発の承認)2社、徐匯区のリトルジャイアント企業3社などを相次いで生み出してきた。
園区のサービスプラットホームを構築する面で、科技園は多くの資金を投じている。例えば、数百万元(数千万円)を投資して、国家級のサービスプラットホームを2つ、数十万元(数百万円)を投資して市級のサービスプラットホームを1つそれぞれ構築した。科技園は2008年、科学技術部が実施しているハイテク産業育成計画・「火炬(たいまつ)計画」の上海の「先進集体」との称号を得た。また、科技園の朱闖総経理は国家科学技術計画実施20周年の先進者、徐匯区の2007-2009年の才能の突出した人才、2010年上海市帰僑先進者などの栄誉を獲得した。
第12次五カ年計画(2011‐2015年)の期間中、科技園は各株主企業の資源の優位性をさらに活用し、サイエンスパークの飛躍的な発展を目指す。
そのためにまず、生物医薬や情報産業の継続的な強化に焦点を絞る。そして、華東理工大学の化学工業や医薬、情報などの分野の学科の優位性を活用し、科技園の前述分野の科学技術企業に対するインキュベーター能力やサービス能力を継続的に向上させる。また、サイエンスパークのハード施設やサービスプラットホームの構築、プロジェクトの誘致などの面で、産業の特徴を生かし、専門化された科学技術イノベーションの雰囲気を作り出し、1カ所の優れた経験を他の所にも伝えるという集合効果を作り出す。
次に、物理的空間を継続的に拡大したり現地の土地資源や政策の優位性華東理工大学の周辺地域の科学分布などを利用したりして、▽大学生の起業・イノベーション基地▽科学技術企業のインキュベーター基地▽科学技術企業の発展を加速させる基地‐‐‐の3大機能の構築を整備する。そして、生物医薬の公共技術研究開発サービスプラットホームや情報産業の審査専門のプラットホーム、生物医薬産業・情報産業のパテントプール、研究開発サービスの共有・協力サービスネットワーク、さらにある程度完成した科学技術企業の成長サービスシステムなどを構築する。
3つ目に、上海市のベンチャーキャピタル投資の科学技術金融サービスの経験や金融資源の優位性を生かし、華東理工大学の国家技術転移センターのサービスプラットホームと結び合わせ、金融イノベーションが科学技術のイノベーションを促進するサービス体系を模索する。また、華東理工科技園生物医薬特的項目インキュベーター基金を設立し、サイエンスパークに入居している企業や産業技術のイノベーションにさらに強力なサポートを提供する。そして、さらに多くの国内外の研究開発機構や研究開発型の企業を誘致し、人材や技術、設備などのイノベーション資源を効果的に集める。そうすることにより、産業の集合をさらに促進したり、トップレベルの産業を形成したりし、科学技術成果の転化促進や成果の転化成功率上昇を目指す。
上記で挙げた計画を通して、積極的な相互作用を形成することにより、華東理工サイエンスパークをオリジナリティに富み、機能が充実した産学研一体型の国家大学サイエンスパークに進化させる。