2020年ベトナムにおける新型コロナウイルスのパンデミック状況
2020年4月19日
SARS−CoV−2ウイルスによる新型コロナウイルスは、2020年1月23日にベトナムで初めて確認されました。4月19日現在、ベトナムでは268人の陽性患者が確認されており、そのうち202人が退院し、未だに死亡者は出ていません。ハノイは現在、112人の患者が確認されており、ベトナム内で最も被害を受けた都市となっています。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大において、ベトナムは世界で最も伝染病のコントロールにおいて優秀な対策を取った国として挙げられています。ベトナムは、流行地域から人々を隔離、監視、制限し、国境を閉鎖すると共に、医療的緊急事態宣言の実施を展開するための措置を実施しています。混雑を制限し、多くの場所では、体温の測定、消毒剤を配備し、公共の場所では無料でマスクを配布するなどの措置を取り、コントロールを強化しています。国内旅行や貿易も制限されています。ベトナムは、世界のほとんどの流行国と同様に、社会的・経済的に大きな影響を受けています。
ステージ1には、新型コロナウイルスの最初の16例が含まれています。最初に確認されたのは武漢市からハノイへ家族と面会するために渡航し、ホーチミン市のチョー・レイ病院に入院した66歳の中国人男性(症例番号1)と、前述の中国人男性とニャチャンで出会った際に父親から感染したとみられる28歳の息子(症例番号2)の2人。2月1日、カーンホア省で25歳の女性(症例番号6)が新型コロナウイルス感染者と確認されました。彼女はとある受付嬢と接触したが、この受付嬢も中国人の父子2人と濃厚接触していたことが後に発覚した(症例♯1と♯2)。特筆すべきは、これがベトナム国内での初の感染例であり、グエン・スアン・フック首相がベトナム国内での初の感染例であることを発表し、国境線の引き締めを決定するに至った出来事でもあります。2月25日に、症例番号16は新型コロナウイルスから回復し、退院しました。これは、ベトナムでの最初の16例のケースが退院した最後のケースでもあります。新型コロナウイルスの最初の16例では、乳幼児や高齢者、多くの基礎疾患を持つ人など、多岐にわたる人々が感染していました。病院は相談会を組織し、各患者に最適な治療を提供し、基礎疾患をコントロール、新型コロナウイルスの治療を成功させるための環境作りを徹底的に行いました。また、ウイルスの早期発見のための分離・検査法も治療の成功に貢献しています。
ステージ2には、海外からの渡航例も含まれています。3月6日夜、ハノイ市は26歳の女性が新型コロナウイルスの陽性となった最初の症例を発表しました。ベトナムでの感染例(♯17)はこれで17例目となります。症例番号17との間で、多くの濃厚接触例や隔離例が報告されていますが、ベトナムでは新たな陽性患者が報告されることなく、22日間陽性患者の報告がない日が続きました。3月19日夜には、全国の患者数は85人に増加しました。
地域コミュニティでの感染拡大の危険性もあるステージ3では、 3月20日、保健省は、新型コロナウイルスの患者2人、症例番号86、87は、バッハマイ病院の女性看護師2人で、いずれも新型コロナウイルスの患者と接触しておらず、感染経路が不明ということを発表しました。3月21日には、ベトナムは22日0:00からすべての外国人の入国を一時的に停止し、入国したすべての人々については14日間の集中隔離を行うことを発表。ベトナムは4月1日0:00から15日間の全国範囲における自主隔離を実施しました。同日、グエン・スアン・フック首相は、これまでの2020年2月1日の感染病流行宣言に代わり、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を発表しました。
新型コロナウイルスのパンデミックのため、ベトナムでは感染拡大を制限するために全ての教育機関が休校となっています。私自身も、学校には行っていませんが、インターネットを介してオンラインで学生に教えることができます。ベトナムでは、ウイルスの拡散を制限するために自主隔離を実施。その間、政府は公共交通機関の運行を禁止し、ショッピングモールや飲食店を閉鎖し、集会を避け(スーパーは開いている)、外国人の入国を禁止し、国内の渡航を最小限に抑えています。また、外出や集会を制限し(食料を買うなど絶対に必要なときだけ外出し、テレワークを推奨)、マスクを着用する、石鹸でこまめに手を洗う、異物に触れるときは手指消毒剤を使用するなどの厳重な注意を出しています。違反した場合は政府の制裁の対象となります。以上のことは、病気の蔓延を抑えるために必要な対策です。
注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、英語原文をご参照ください。(原文は こちら)