2021年10月のレポート

ウズベキスタンにおけるCovid-19:発生、制御、予防

Jasurbek Yulchiyev,
ウズベキスタン・サマルカンド獣医学研究所助教

ウズベキスタンのCovid-19ウイルスは、2020年3月15日に、パリからタシケントへのフライトで、ウズベキスタン国籍の女性に初めて確認されました。翌日、2020年3月16日、全国で隔離が発表されました。すべての学校と幼稚園、大学、組織がオンライン授業や会議などに切り替えました。2021年10月17日現在、ウズベキスタンにおいて、累計181,312人が新型コロナウイルス感染しました。 (https://coronavirus.uz/ru このうち、現感染者数は372人(うち6人が肺炎)、この疾病での総死亡者数は1,290人で、新たな死亡者数は3人、また、この疾病から回復した人数は177,213人となっています(図1)

保健省傘下の疾病予防共和国運営本部をはじめとするすべての関連政府機関は、世界保健機関の要請に応じて、疾病と戦うために必要なすべての疾病予防措置を講じました。

 国境、空港、駅、交通のハブでの市民の出入りの管理を強化するとともに、国による14日間の隔離措置、公共の場での歩行制限、公共のイベントの制限などの措置がとられました。 https://global-monitoring.com/gm/page/events/epidemic-0002017.cdvPDkTx0wi4.html?lang=en

同時に、メディア、テレビ、ソーシャルネットワーク、説明用の著作物、治療や予防に関するビデオ、さらにその他の関連するコンテンツで、疾病との戦い方が全住民に示されました。

パンデミック時の価格急騰を防ぐために、独占禁止局などが必要な食料品、医薬品、衛生用品などを市場に供給したにもかかわらず、人為的な価格上昇や食料不足が発生しました。

同時に、ホームレス、高齢者、貧しい人々を支援するための「Iron Book」が作られ、各地区、各村、各マハラ(地域コミュニティ)で個別に問題が検討され、解決されました。

隔離規則が施行された日から、必要な時以外の外出が禁止され、食べ物や薬のためだけに外出するようになりました。3人以上が集まることの禁止や、マスクなしで外出した人への行政処分などが行われました。 https://uzbekistan.travel/en/o/covid-19-in-uzbekistan/

都市間のフライト、列車、自動車での移動は一時的に停止されました。あらゆる種類の乗り物、自家用車での移動が制限され、特別な国の自動車、「ステッカー」を貼った乗り物だけが道路に出ることを許可されました。

各政府機関の入り口に、消毒液噴霧装置付きの廊下トンネルが設置されたことにより、施設に入る者は自動的に消毒され、そして体温測定も行われました。隔離の初期には、しばらくの間、マスクの需要の増加が見られました。

PCR検査のプロセスは、主に世界保健機関(WHO)の診断ガイドラインに基づいて用意されました。すべてのプロセスは、国家予算の資金を使って無料で実施されました。パンデミックの初期段階では、主に中国のウイルス株が、次にイギリスのウイルス株が優位に広がっていきました。 https://www.gov.uk/foreign-travel-advice/uzbekistan/coronavirus

ウズベキスタンでは、2021年3月に最初の予防接種プログラムが確立されました。現在、以下のワクチンがこの国の全住民に注射されています。

ウズベキスタンで使用されるワクチン

  • スプートニクVワクチン
  • BioNTechワクチン、ファイザー社
  • オックスフォード大学・アストラゼネカ社のワクチン
  • RBD-ダイマーワクチン
  • モデルナ社のワクチン

現在、ウズベキスタンは2,380万回接種のワクチンを使用しており、完全にワクチン接種された人口は569万人です。つまり、総人口の16.6%が2回接種を受けています。https://ourworldindata.org/covid-vaccinations?country = OWID_WRLこの国のワクチン接種計画は無料で行われており、最初のワクチンは、医療従事者、教師、警察官など、この疾病にかかるリスクの高い人々に接種され、その後、その他の人々に接種されます。

パンデミックの状況下では、教育システムにおける既存の欠点がタイムリーに分かるようになり始めました。というのも、ウズベキスタンではオンライン教育の機会が非常に少なかったからです。

この件については、公教育省は、インターネットへのアクセスが困難な地方で教育を提供するために、テレビでスクリーンレッスンを開催しました。

その後、学校の生徒向けのオンラインプラットフォームが機能し始めました。 https://www.unicef.org/uzbekistan/en/assesing-distance-learning

高等教育においても、このプロセスは困難を極めました。当初は、学生と教師が互いにコミュニケーションをとることが難しくなっていました。その後、オンライン学習プラットフォームが高等教育システムで稼働し始めました。オーディオやビデオのレッスン、ズームなどのプラットフォームの使用が整理されました。このプロセスは常に改善されており、デジタル教育システムは完全に導入されつつあります。 (https://www.usaid.gov/uzbekistan/program-updates/aug-2021-teaching-during-pandemic)

パンデミックは、人々の生活を一変させた最大の要因の一つとなりました。最も重要なことは、人々が「節約」「困っている人を助ける」「1秒1秒を大切にする」「他人の仕事を尊重する」といった資質を身につけたことです。私の獣医師スタッフの仕事は、世間から賞賛されていました。しかし、パンデミックの結果、多くの人々が愛する人を失い、人々が互いに連絡を取らなくなり、家族に問題が生じ始め、人々の鬱病が増加しました。

図1. ウズベキスタンにおけるCovid-19患者の変遷(波上曲線)。
図2. ウズベキスタンの住民のワクチン接種状況;1回接種者と2回接種者
図3. ワクチン接種状況
図4.パンデミック・ロックダウン時にペット動物の健康を維持するために働く獣医師は、
一般市民にとっても必要不可欠なサービスと考えられます。

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、英語原文をご参照ください。(原文はこちら