2021年10月のレポート

パプアニューギニアにおけるCOVID-19の状況

Viola Kwa、医学士、医学修士(一般病理学)
健康イニシアチブのためのブルームズバーグデータ、テクニカルアドバイザー兼国家コーディネター
(パプアニューギニア、ポート・モレスビー)

2021年10月4日時点でのパプアニューギニアでのCOVID-19感染者数

  1. a) 合計感染者数:21,032
  2. b) 新規感染者数:151
  3. c) 現感染者数:2,166
  4. d) ICUにいる重症者数(もしくは人工呼吸器が必要なことを把握されている患者数):ウェブサイトには7人と記載がありますが、実際にはもっといると思います。
  5. e) 合計死者数:234

このパンデミックの渦中に、現在私たちが直面している問題

1)かなり低いワクチン接種率。人口のたった2.5%の人しか必要回数の接種を終えていません。これにはいくつか理由があります。

  • 入手できるCOVID-19のワクチンが不足しているため
  • COVID-19のワクチンを接種する必要があるという意識が欠如しているため
  • 一般大衆に加え、医療従事者もCOVID-19のワクチンに対して恐れを感じているため

2)COVID-19症例数が急に増加し、病院に負担がかかりすぎて、それに加えて、酸素供給設備の不足により、主要な地方病院が閉鎖されています。

3)以下に挙げる人々に対して医療サービスを提供するその他の臨床医の診療所も閉鎖されています。

  • 高血圧、糖尿病、心臓病のような持病のある人
  • 手術を受け、術後の経過観察を必要とする人
  • 眼科もしくは耳鼻咽喉科を受診する必要がある人

COVID-19の感染拡大を制御するために、数々の対策が行われています。

  1. 1) 国立COVID-19コントロールセンターが設立されました。
  2. 2) 国家パンデミック法が制定されました。
  3. 3) 政府はすべての地域に、COVID-19に備えるための資金と支援金を提供しました。
  4. 4) 昨年、全国規模のロックダウンが2週間行われました。
  5. 5) 今年は特に感染者が多い地域で、地域レベルでのロックダウンが行われました。
  6. 6) アルコールの販売が制限され、主要な都市や街ではアルコールが禁止されました。
  7. 7) “Niupela pasin” (ソーシャルディスタンスを保ち、常に外ではマスクを着用すること)という取り組みを行っていますが、厳しい執行はされていません。
  8. 8) 一定期間、国境は閉鎖されました。

講じた対抗策が感染拡大を制御するのに効果的だったかどうかの評価はまだ困難です。

政府は直接的な金銭支援を行っていません。

私たちの国ではロックダウンが行われました。

ロックダウンを軽視した人には、罰金と拘禁刑が科されました。

医療従事者、警察官、軍隊、小売店経営者は、ロックダウンの最中でも業務を続けることが認められました。

一般市民のロックダウンに対する反応に関して言いますと、多くの人がCOVID-19を恐れていたのでロックダウンのルールに従いました。

ロックダウン前には米、小麦粉、魚の缶詰、油、肉の缶詰、消毒液、ウエットティッシュ、トイレットペーパー、石けんの買い占めが起きました。

ショッピングセンターでのマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保といった新しい日常のルールに従わなかった人は、すべての公共のショッピングエリアへの立ち入りを禁止されました。

私たちの国で使われている検査方法は迅速抗原検査(RDT)とGeneXpert(PCR)です。

民間の診療所でPCR検査または抗原検査を受ける場合は、料金を支払わなければならないが、公共施設での検査に対しては払う必要はありません。検査費は500キナ(約142米ドル)未満です。

私たちの地方ではデルタ株は現在本国のいくつかの州に認められています。

国民に対するワクチンブログラムの進捗はかなり遅く、医療従事者の間でさえも、なかなか進まない状況です。

2021年9月末時点で、必要回数分のワクチン接種を終えたのは人口のたった2.5%でした。

パプアニューギニアで国民に接種されているワクチンはシノファーム、アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソンです。

ワクチン接種の費用はかかりません。

現在、COVID-19の予防薬または治療薬として使われている伝統薬はありません。

また、政府はCOVID-19に対していかなる伝統薬を使用することも認めていません。

パプアニューギニアではイベルメクチンの使用に関し、議論が起きています。

パンデミックは学校にも影響を及ぼしました。ロックダウンが行われ、また、教師や学生がCOVIDを恐れて学校に来なかったために起きた混乱の結果、今年は多くの子供たちが留年しています。

パンデミックによりホテルが閉鎖され、企業では人員を大幅に削減したため、多くの人は仕事を失いました。これにより、多くの家庭に影響が出て、多くの人の収入がなくなりました。ロックダウンの最中、多くの人がおなかをすかせていました。ロックダウンの最中は稼ぐことができなかったので、多くの人々は収入を得るためにインフォーマル・セクター(非公式部門。開発途上国にみられる公式に記録されない経済活動。例えば、靴磨き、行商、道端商売、など)に頼りました。

図1. ワクチン接種を待つ家族
図2. ワクチン接種会場の設営

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、英語原文をご参照ください。(原文はこちら