2021年10月のレポート

新型コロナウイルス感染症(COVID−19)—インドからの状況報告

Jagdish G. Gudewar
Rajesh R. Pharande

Dr. Jagdish G. Gudewar、Dr. Rajesh R. Pharande
ムンバイ・ベタリナリー大学 (MAFSU)、インド国ムンバイ

2021年10月1日時点におけるインドにおけるCOVID−19の感染者数

  1. a) 合計感染者数:33,791,061 人
  2. b) 新規感染者数:24,354 人
  3. c) 治療・療養中の患者数:273,889 人
  4. d) 総死亡者数:448,573 人
  5. e) 新規死亡者数:234 人
  6. f) 合計897,481,554回分のワクチンが人々に投与されました。
  7. g) インドは571,994,990のサンプルを検査しました。

COVID−19との戦いでわが国が直面した最大の問題は、国内でパンデミックの第2波を支配した新型コロナウイルスのデルタ変異株(B.1.617.2)の割合が高かったことです。(INSACOG報告書)。もう一つの問題は、インドの巨大な人口と人口密度でした。インドでは、ムンバイ、デリー、バンガロール、アフマダーバード、チェンナイ、コルカタなどの大都市は人口が多いため、通常、総感染数と死亡数が多いです。

パンデミックの第2波が、2021年3月から4月にかけてこの国を襲います。この第2波の間、マハラシュトラ州政府は州全体のロックダウンを実施し、その後、州の地区をCOVID−19の感染者数に応じて、緑、赤、オレンジの3つのゾーンに分けました。旅行者の飛行機による国内および海外のすべての旅行、列車、地下鉄、州をまたぐバスなどの公共交通機関による旅行者のすべての移動、州をまたぐ個人の移動は、医療サービスを除いて禁止されました。すべての学校、大学、教育・訓練・指導機関、すべての映画館、ショッピングモール、体育館、スポーツ複合施設、水泳プール、テーマパーク、劇場、バーと観客席、集会場及びその類似の場所、すべての社会的・政治的・スポーツ・エンターテイメント・学術・文化・宗教的行事、その他の集会、宗教上の集会は固く禁止されました。すべての宗教的な場所や礼拝所は一般には閉鎖されました。

政府は、緊急サービスや食料供給に携わる人々を除き、すべての公的機関に自宅で仕事をするように指示しました。医療施設、薬局および食料品店だけが営業を続けることが許可されました。また、公共の場への外出や何らかの手段での旅行の際には、マスクの着用がすべての人に義務づけられました。マスクを着用しない人には200〜500ルピーの罰金が科せられ、制限ルールに従わない店には10,000〜50,000ルピーの罰金が科せられます。

パンデミック中、公告掲示板が取り付けられた公園や公共庭園での制約。

接触者追跡が行われた封じ込め区域がありました。自宅や施設での隔離は、医務官によるリスク評価に基づいて行われました。すべての患者の検査、特別チームによる戸別訪問調査、規約に従ったすべての患者の臨床管理、患者のカウンセリングは政府関係者によって行われました。政府をはじめとするCOVID−19対策に取り組むすべての機関のたゆまぬ努力により、現在はほぼ通常の状態に戻っています。次第に規制は緩和されましたが、現在ではマスクの着用やソーシャルディスタンスの基準など、いくつかの規制がすべての場所で義務づけられています。飛行機での旅行、列車の旅行、バスの旅行は、政府のガイドラインに沿ってではありますが、すでに始まっています。ガイドラインでは、ワクチンを接種した人のショッピングモール、公園、宗教施設への訪問が認められています。商店や商業施設は、ソーシャルディスタンスや時間的な制限の条件付きで営業が許可されています。

COVID−19の診断には、主な診断手法としてはRT−PCRによる迅速抗原検査と抗体検査があります。これらの検査は、政府機関がすべての人に無料で提供していますが、民間の診断機関での検査を希望する人は、自己負担で検査を受けることができます。ワクチン接種の推進では、2021年の初めに、インドのBharat Biotech(バーラト・バイオテック)社が開発したCovaxin(コヴァクシン)と、Serum Institute of India(セラム・インスティテュート・オブ・インディア)が製造したOxford−AstraZeneca (オックスフォード大学・アストラゼネカ社)のCovishield(コビシールド))の2つのワクチンを、国内で緊急に使用することをインドは承認しました。そして、インドは、利用可能な2つのワクチンを2回接種して、すべての高齢者と医療専門家に免疫を与え始めました。最近では、インドでもロシアからSputnik V(スプートニクV)ワクチンを輸入し、市販されています。合計897,481,554回分のワクチンが人々に投与されました。これは、インド政府による世界最大の予防接種推進です。この予防接種は、政府の運営センターですべての人々に無料で提供されました。

COVID−19の予防策として、AYUSH省(伝統医学省;アーユルヴェーダ、ヨガ、自然療法、ユナニ医学、シッダ医学、ソワリグパ医学およびホメオパシー療法の省;インドの土着の代替医療システムの教育、研究、普及を目的としている)は、新鮮なミントの葉またはキャラウェイシードを1日1回蒸気吸入し、クローブパウダーに蜂蜜を混ぜて1日2〜3回服用するなど、伝統的な薬の形でCOVID−19に対する信頼できる一般的な対策を提案しています。 また、ヨガとパラナヤマ呼吸法を毎日練習することも勧めていました。また、免疫力を高めるために、小さじ半分のターメリックパウダーをホットミルクに入れて1日2回飲むことも推奨されています。また、免疫力を高めるために、チャワンプラッシュ*を朝に食べることも推奨されていました。また、バジル、シナモン、黒胡椒・乾燥生姜、レーズンから作られたハーブの煎じ薬を1日2回飲むことも推奨されています。

チャワンプラッシュ*、バジル、シナモン、
黒胡椒・乾燥生姜とターメリックパウダー
バジル(トゥルシー)、インドで一般的な家庭用植物

COVID−19パンデミックがインドに与えた影響は、経済活動の面で大きな混乱をもたらしました。ほぼすべてのセクターが悪影響を受けていますが、最も影響を受けているのはサービス業と製造業で、特に旅行・観光業、金融業、鉱業、建設業などが挙げられます。人命の損失は、経済的に測ることはできません。学校や大学の閉鎖は、学生に教育上の損失をもたらしました。しかし、優れた費用効率の良いインターネットが利用でき、遠隔地であっても接続性が良いため、オンライン教育が可能になったことは良いことです。多くのNGOや団体が政府と協力して、教育を支援し、また住民の困窮している人々に医療援助やサービスを提供しています。

* チャワンプラッシュ:ビタミンが豊富な天然のハーブジャム

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、英語原文をご参照ください。(原文はこちら