2020年4月のレポート

中国における新型コロナウイルスの状況

中国農業大学Xianyong Liu博士

2020年4月18日

2019年12月1日、湖北省武漢市(華南海鮮市場との接触歴なし)で新型コロナウイルスの最初の症例が発見されました。その後、陽性確認された41例の臨床的特徴を分析したところ、27例は華南海鮮市場との接触歴が確認されました。2019年12月8日に、武漢市の衛生委員会から新型コロナウイルスの最初の感染例が正式に報告され、最初の患者は2019年12月12日に診断が下されました。中国の最新データでは、現時点で合計82700人以上の陽性患者が報告されており、2000人以上が治療中、死者数は4600人以上にも上る。

この災害を抑えるために、中国政府は国家対策を行いました。春節の前夜から、中国の中央政府による国家レベルの疫病対策と疫病制御を実施しました。武漢は閉鎖され、各省は次々と緊急公衆衛生事態へと対応レベルを上げ、国全体が一丸となって新型コロナウイルスに対抗する状況を迅速に形成して行動しました。発熱している患者は、即座に隔離を求められ、それに応じて新型コロナウイルスの患者かどうかの検査が行われます。

閑散としている万里の長城の様子(4月1日)

中国では、感染病の流行予防と流行抑制の期間中に、新型コロナウィルスの陽性確認された症例と疑われる症例に係る全ての費用は国が負担すると発表しています。政府がすべての費用を負担することは、国民の利益至上主義を十分に反映していると同時に、流行の予防と制御に積極的な役割を果たしているので、すべての患者はしっかりと治療され、国民の悩みも解決されている。一部の国民では家族の財政的な負担を増やしたくないが故に、病院で診察を受けに行かないという状況がありますが、これはそれらの状況を回避し、ウイルスの感染拡大のリスクを減らすことができます。

この感染流行の中で、中国の医療・看護界は、小家族をあきらめ、大家族の世話をするという伝統的な美徳を全面的に実施しました。多くの共産党員と幹部が率先して伝染病地域の支援を申請し、全国から42,000人以上の医療・看護従事者が湖北省に駆けつけ、現地で医療支援を行いました。また、全国から多くの医療関係者も率先して感染指定病院への支援をも申請。このような医療従事者の献身的な努力があったからこそ、このパンデミックにおける中国の死亡率が非常に低いのかと考えます。湖北省の救援に行った医療従事者の中でも、誰一人として感染しなかったと報告されています。

中国疫学誌の最新号では、7万人以上の新型コロナウイルスの症例をもとにした疫学調査の結果が発表されました。研究者らは、2019-nCoVは感染力が強いものの、患者のほとんどが軽症であり、全体の致死率は低いと考えています。死亡者のほとんどは60歳以上の患者で、高血圧や心血管疾患、糖尿病などの基礎疾患を抱えています。全体的な流行曲線の減少は、人の移動の制限、接触の減少、重要な予防メッセージ(手洗い、マスクの着用、医療情報など)を多くのチャンネルかつ高頻度で発信し、多部門が連携して対応するなど政府の動員等が流行の抑制に役立っていることを示しています。また、人々が職場に復帰する際には、再流行の可能性に積極的に対応していく必要があります。

私の考えでは、小学校から大学まで、すべての生徒は家庭でオンライン学習を進めるべきだと考えます。また、若い世代の学習環境を整えるために、すべての親もそこの環境に適応していく必要があります。多くの産業が歴史上最大の波及を受け、経済も大きく変化しようとしています。今後人々は、より環境保護と野生動物との平和的交流に着目し、野生動物の消費に関しても、もっと細心の注意を払うことになるでしょう。

(最後の段落以外は全てメディアより収集したものになります。)

注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、下記の英語原文をご参照ください。

Novel Coronavirus situation in China