カンボジアにおけるCovid−19の状況
カンボジアにおけるCovid−19の最初の患者として、2020年1月27日、中国人男性が報告されましたが、後ほど回復しました。(WHO、2020年)5月24日の時点で確認された感染者は124人で、そのうち回復した人が122人、治療中が2人で、死亡例はありません。合計で16,416の検査が実施されています。(983サンプル/100万人) (https://www.worldometers.info/coronavirus/)
Covid−19の感染者のうち、87人は海外旅行との関連があり、38人は国内での感染者で、国内外で確認されました。外国での感染した可能性がある症例は8カ国で発生しました:フランス(37人)、マレーシア(34人)、タイ(5人)、ベトナム(3人)、中国(1人)、オーストリア(1人)、イギリス(1人)、日本(1人)、アメリカ(1人)、フィリピン(1人)、 2人は不明です。確認された感染者は13の州で診断を受けています。ほとんどの感染者はプノンペンのクメール・ソビエト友好病院の隔離病棟で治療を受けました。
カンボジア政府は、Covid−19に対する取組みを調整するため、「Covid−19と戦う国家委員会」を設立しました。健康センターと関連病院は、それらのCovid−19感染患者をサンプリングして治療する準備ができています。学校の施設はCovid−19が疑われる人達の隔離のため使用されています。また、特に西側諸国からの旅行者に対する制限がかけられました。(RGC、2020年)
政府は最初の感染者が報告されて以降、特に3月17日から現在に至るまで、来たるべきクメール正月のために海外から帰国した労働者に対して14日間の規制を行うための措置をとってきましたが、カンボジアでの重要な行事の1つであるクメール正月は延期され、社会の中にCovid−19が拡散するのを防ぐために、州と首都の間の人々の移動は禁止されました(SPM、2020年)。衛生管理については特に手洗いや消毒剤の使用が励行され、社会的距離、オンラインでの業務、オンライン学習が奨励されています。(WHO、2020年)
このパンデミックにより、人々はCovid−19の深刻さに更に気付くようになり、個人レベルでも公共の場所における衛生管理が重視されるようになりました。このパンデミックは、人々の生活だけでなく、観光業、商業、金融業、産業にも悪影響を及ぼしています。(SPM、2020年)
Covid−19は人々の毎日の活動を制限し、仕事と個人の両方の経済状況を圧迫しています。例えば、アルコール消毒剤やマスクの価格高騰が発生しています。
Sophal CHEAT
王立農業大学獣医学部、
カンボジア王国プノンペン
2020年5月24日
注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、英語原文をご参照ください。(原文はこちら)
[参考文献]
http://cdcmoh.gov.kh/resource-documents/daily-surveillance-reports?fbclid=IwAR3GEkA6b6cnHvpEvneTUezG_PlDkgByXjQzAcmCViNsC0cFJhiaVmt1zZk
カンボジア政府「Covid−19と戦う国家委員会(RGC)」の設立について(2020年3月18日発表)
https://drive.google.com/file/d/1vEPgpuV1wyxzEOba2aMJwXKQMogZkPQi/view
SPM (2020)Remarks by Samdech Techo HUN SEN Prime Minister of the Kingdom of Cambodia At the ASEAN Special on Covid−19 14 April 2020
https://pressocm.gov.kh/en/archives/65738
WHOおよび保健省、2020年の新型コロナウィルスの最初の陽性患者に対応
https://www.who.int/cambodia/news/detail/28-01-2020-ministry-of-health-responds-to-first-positive-case-of-new-coronavirus