バングラデシュにおける現況
ここ数ヶ月の間に、新型コロナウィルスの患者数とそれに伴う死亡者数が増加しています。その結果、世界全体は足踏み状態に陥っています。バングラデシュで初めて確認された新型コロナウィルスの症例は、3月8日にIEDCR(疫学・疾病対策研究所)より発表されました。
本日(2020年5月3日)現在の新型コロナウィルスの状況
新型コロナウィルスの陽性患者数:9455名
- 完治・退院:1073名
- 死者数:175名
政府は、国内での新型コロナウィルスの感染拡大を食い止めるため、現在実施されている全ての官公庁と民間企業の閉鎖を5月5日まで延長しました。政府が最初に3月26日から4月4日まで全ての官公庁と民間企業の閉鎖を発表した後、閉鎖を延長したのは今回で4回目。最初の発表は3月23日になります。「緊急サービス」は今回の封鎖の対象外となります。シェイク・ハシナ首相は、都市封鎖は徐々に解除されるが、教育機関は9月まで閉鎖される可能性があると発表しました。
政府による対策
政府は消毒液、マスク、手袋の配布を開始しました。人々はソーシャルディスタンスを保つことが求められています。モスクでもあらゆる集会が制限されており、他の宗教的な集会も規制されています。ベンガルの元旦である4月14日には、全国各地で伝統的なお祭りが行われ、この日に行われる伝統的なお祭りはユネスコの人類無形文化遺産にも認定されました。しかし、今年はすべてのプログラムが中止され、人々は家にこもり、家でお祝いをするよう求められています。今は作物の収穫の季節ですが、ロックダウンにより、日々の労働力が不足しています。政府は、労働者のために特別なサポートを実施し、厳しく管理された方法で農家が畑から作物を刈り取る事業を支援しています。政府は農業に補助金も出しています。医師やその他の医療従事者は、このような状況下で職務を遂行するよう求められています。約700人の医師や医療従事者は新型コロナウィルスに感染したことが判明されています。行政・防衛関係者は、引き続き現場で業務に従事しています。現在までに500人以上の警察官が新型コロナウィルスに感染し、5人が亡くなっています。
現在、病院、研究機関、大学を含む31の機関が新型コロナウィルスの検査を実施しており、定期的に約6000件もの検査を行っています。私たちの大学もまた、近くの医学系大学にPCR装置を1台提供し、検査の迅速化と数の増加を図っています。
政府の他にも、BRACなどのNGOやその他多くのNGOが貧困層に食料や衛生用品を提供しています。
新型コロナウィルスの影響
バングラデシュの輸出収益は、既製服(RMG)分野への依存度が高まっています。現在、コロナによる影響のため私たちの国の経済が脅かされています。なぜなら、国の84%の外資資金がこの領域から得ていたからです。
新型コロナウィルスの流行は、外国人バイヤーが虚勢を張った危機的な状況の中で、彼らのビジネス戦略の見直しを開始し、国のアパレル産業に脅威をもたらしています。
先週には政府、アパレル産業の貿易団体のリーダー、専門家、エコノミストといった有識者による会議が開かれ、4月26日よりバングラデシュ衣料品製造・輸出業者協会が作成したスケジュールに沿って、アパレル工場は段階的に、そしてゾーンごとに再開することが決定しました
もう一つの最も重要な収入源であるバングラデシュへの送金は、新型コロナウィルスによって誘発された経済危機のために22%減少すると予測されています。
これに加えて、日当稼ぎの人々がこのロックダウンの状況で最も被害を受けています。
ロックダウンが解除されるまで、教育機関は閉鎖されます。UGC(大学助成委員会)は、すべての国公立・私立大学がオンライン授業を実施しなければならないという決定も下しました。すでにいくつかの大学では、オンラインを介して授業を行い、課題をオンライン上で学生に与えています。
ロックダウン中の生活
ロックダウン中の日常生活はとても息詰まってます。家では日々の家事をこなし、時にはオンラインで公務をこなすなどして過ごしていますが、外出時にはマスクや手袋を着用し、ソーシャルディスタンスを保つことが課題となっています。必要なものを買いに行くときはマスクと手袋をしなければならないし、人口密度の高い国なので、ソーシャルディスタンスを保つのは大変なことです。
Amrita Pondit
注)原文からの和訳はJSTによるものです。正確な表現やデータについては、下記の英語原文をご参照ください。
CORONA Status in Bangladesh