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活動報告(一般公募コース) 第391号

インドネシア、ベトナムの若者がバイオ・化学分野の先端研究を体験する

福井大学からの報告

 福井大学では、2018年1月14日から1月23日の日程で中国(天津工業大学)、ベトナム(ダナン大学)、インドネシア(ジェンデラルスディルマン大学)の3か国から合計9名の学部生、大学院生、若手教員を招き、プログラムを実施しました。

 本プログラムでは、異なる研究分野からアプローチすることにより研究の相互交流を行うことで、単に自分の専門領域を伸ばすだけでなく、国際的視野で幅広い観点から、複合的な研究テーマを俯瞰し、現実社会の課題に対して解決策を示すことのできる学生や若手研究者を育成し、より実践的なグローバル人材養成を行うことを目的としました。

 ここでは、直接プログラムに参加する学生だけでなく、学生を受け入れた研究室の多くの学生を巻き込んだ形で研究交流をすることにより、国際的な協力体制のなかで、バイオ・化学分野の研究の展開および相互交流を行いました。具体的には、受入に関わる研究室の教員スタッフの有する研究・技術シーズ(ナノファイバー、バイオセンサ、耐熱性タンパク質、複合材料等、細胞工学)と、交流校の有する研究・技術シーズ(分光分析、ナノ粒子、微生物、材料工学、環境化学分析等)の技術習得と、研究発表・ディスカッションを通じた新たな課題の探索などができました。

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学内の研究棟より福井市を一望する

 2018年1月14日に来日、研修を開始しました。今年の福井は2月に豪雪となりましたが、それより1ヶ月早かったこの時期でも既にかなりの積雪があり、招へい者達は「天からの贈りもの」と大変喜んでいました。

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初体験の雪に感激の様子

 異なる研究分野間の交流がテーマですので、まず、本学の学生達とお互いの研究成果をワークショップでポスター発表しました。お互いに白熱の議論となり、招へい者・本学の学生共に「相手に研究内容を伝えるにはどうしたらよいか」と考える点で貴重な体験となりました。また、研究室未配属の招へい者は自国の文化や大学の様子などを発表し、それぞれの特徴的な文化について知り合う機会ともなりました。

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ポスター発表の後での記念写真(ホストの学生ともすっかり打ち解けた様子)

 実習では、抗生物質の微生物による定量や耐熱性酵素の精製など基本操作からナノファイバーの作成、細胞培養への応用やバイオセンサの構築など発展的なことまで幅広く学びました。抗生物質の実験は生物応用化学科3年生の学生実験でもあり、いつものグループの中に招へい者が飛び入り参加して、ここでも学生同士の積極的な交流がなされていました。

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自分たちで作成したナノファイバーの評価を行っている様子
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微生物を用いた抗生物質の実験

 大学内外のツアーでは、本学産学官連携本部計測・技術支援部の見学、福井県工業技術センター、日華化学株式会社研究所の訪問など、最先端の分析装置、施設に触れることができました。招へい者からは、「将来ここにある機器を使って研究がしたい」という言葉も聞かれました。

 休日は、福井市立郷土歴史博物館を訪れ福井市の歴史についても勉強しましたが、ここでの目玉は何と言っても和服の試着コーナーでした。男女ともに資料館の学芸員の方に手伝ってもらい和服を着ました。女性はあでやかな着物姿にうっとりしており、大変好評でした。

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和服に変身

 日曜日はえちぜん鉄道に乗って勝山市まで小旅行しながら福井県立恐竜博物館を見学しました。博物館では、この日は地元の団体による抹茶のサービスがあり、招へい者達もかしこまって神妙に茶菓子とお茶を楽しみました。最終日は、日本酒の酒蔵も見学し、麹づくりやもろみの醸成など日本酒の奥深さを学びました。

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お茶席を体験、ちょっと緊張気味
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日本酒の要となる麹造り

 このプログラムに参加した学生、スタッフは日本の充実した教育・研究環境を実験・実習を通して身近に知る機会を得たことに大変喜んでいました。大学院生の学生からは、自分の研究の進め方の相談もあり、いろいろと指導できたことも大きな収穫でした。

 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えていただいたさくらサイエンスプランに厚く御礼申し上げます。

平成29年度 活動報告