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活動報告(一般公募コース) 第371号

ベトナムの優秀な高校生が日本の看護・医療を学ぶ

熊本大学からの報告

 熊本大学医学部保健学科では、2018年1月15日から21日までの1週間、さくらサイエンスプランの支援を受け、アジア諸国の優秀な高校生に、日本の看護教育や看護・医療の質の高さを実感してもらうことを目的にプログラムを企画しました。今回は、ベトナム社会主義共和国のハノイ国家大学外国語大学附属外国語英才高等学校の日本語専攻クラスで選抜された優秀な高校生10名と引率の教員1名を招へいし、保健学科での授業体験や医学部附属病院での看護体験などの全プログラムを日本語で実施しました。

<1月15日>

 早朝、福岡空港に到着後、新幹線で熊本市へ移動し、保健学科に到着しました。保健学科長から歓迎の挨拶を受け、午後からは早速、保健学科1年生の組織学実習を体験しました。

写真1
膵臓についての学習:高校生は日本語で膵臓の意味も理解できていました。

<1月16日>

 医学部附属病院で、看護部長の講話の後、看護師とともに病棟の看護体験をしました。高校生は、ベトナムの看護師とは異なる日本の看護師の細やかなケアに気づき、質の高さに驚いていました。

写真2
初めて看護師のユニフォームを着て大喜びの高校生

<1月17日>

 午前中は熊本市保健所で1歳半乳児健診見学と母子手帳の説明、午後は宇城保健所で結核等、感染症についての講義と演習を体験しました。高校生は、ベトナム語で書かれた母子手帳や、手洗いなどの感染症の知識を帰国後に周囲の人々に伝えたいと話していました。

写真3
正しい手指衛生の方法についての学習

<1月18日>

 大学生がボランティアとして取り組んでいる認知症ケアプログラムOrange Projectの活動について学びました。大学生の素晴らしい活動を知り、自分たちもこのような大学生を目指したいという良いモデルを示せたようです。

●Orange Projectの大学生の感想
 高校生は認知症に対し、全く偏見をもっていませんでした。日本でもそのような思いが広がってほしいと思いました。

写真4
日本の昔遊び(お手玉、剣玉など)体験

 保健学科2年生の母性看護学の講義に参加し、高校生は大学生よりしっかりとした講義の振り返りを日本語で書いていました。

●高校生の感想
 女性の健康問題については、あまり知りませんでした。講義から女性の問題の原因、予防、治療を理解できました。講義にあったビデオもおもしろかったです。日本と他の国のアンケートもあり、異国に比べて日本がどんな状態かわかりました。

写真5
メモを取りながら、真剣に講義を聞いていました。

午後は、医学部附属病院の中央検査部・中央放射線部を見学しました。

写真6
検査部での呼吸機能検査の体験。なかなか思ったようにうまくできず、苦戦しました。

<1月19日>

 成果発表会では、高校生全員が流暢な日本語で、今回のプログラムの感想に加え、留学に対する熱い思いなどを発表しました。その後、保健学科長から一人ひとりに修了証と記念品のピンバッジが手渡されました。

写真7
日本語での成果発表

●サポーターの大学院生の感想
 選抜された優秀な高校生とはいえ、母国語、英語、そして日本語を流暢に話し、漢字もひらがなもカタカナも読めるのです。私にはとても衝撃でした。どの高校生に尋ねても、返ってくる返事は同じでした。“一生懸命勉強しました”私に欠けているのは、一生懸命さ。あらためて思い知らされました。

写真8
日本語での発表が終わり、達成感にあふれた顔です。

<1月20日>

 伝統工芸館で和菓子作りを体験しました。また、神社にお参りに行きたいという高校生全員の強い希望で、熊本城内にある加藤神社に行きました。お土産に、合格祈願などのお守りを数十個買った高校生もいました。

 最終日の1月21日はバスで熊本空港へ移動し、空路、羽田空港経由で帰路につきました。

 1週間という限られた期間ではありましたが、高校生たちの活発な質問や熱心な取り組みと大学生・大学院生・教員のサポートにより、高校生たちの日本の医療や看護に対する理解が深まったことを実感しました。 また、本学の附属図書館やグローバル教育カレッジ等を訪問し、留学生に対する支援体制が整備されていることを知り、留学への思いが、さらに強くなったようです。保健学科の学生にとっても、とてもよい刺激になったようで、企画当初の期待以上の成果が得られました。

 最後に、本プログラムの実施に多大なご支援をいただいた、さくらサイエンスプラン、熊本大学の学生支援部(国際教育課)ならびに保健学科の関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。

平成29年度 活動報告