2017年度 活動レポート 第361号:長岡工業高等専門学校

2017年度活動レポート(一般公募コース)第361号

高等技術トレーニングセンター・マラッカ校との実践的ものづくり交流

長岡工業高等専門学校からの報告

長岡工業高等専門学校では、平成29年2月20日から3月1日までの10日間、さくらサイエンスプログラムの交流事業を実施しました。

今回のプログラムでは、高等技術トレーニングセンター・マラッカ校(以下「ADTEC Melaka校」)から学生10名と教員1名を招きました。ADTEC Melaka校は、マレーシアのマラッカ州にある学校で、高等学校や他の職業訓練校の卒業者そして社会人の方々を対象に、グローバルな視点で国際競争に打ち勝つ高度な技術や技能を習得する場を提供しています。

写真1
さくらサイエンスプログラムのフラッグとともに

本プログラムでは、日本の優れた科学技術に関連する以下4項目の内容を選定して実施しました。

1.日本独自の高専教育の特徴である実践的ものづくり交流
2.ものづくり企業の見学
3.科学技術が生かされている学習の場としての水族館、スカイツリーなどの見学
4.先端技術の広報の場としての日本科学未来館の見学

以下、それぞれの項目について実施内容を説明します。

1.実践的ものづくり交流

本交流プログラムでは、長岡高専生とADTEC Melaka校の学生との混成チームを5班作り、課題をクリアしたポイントで順位を決定するライントレース競技会を実施しました。本プログラムでは、エンジニアを目指す同世代の若者に対して交流の場を提供し、マレーシアと日本の学生の科学技術に対する理解を深めさせることを主な目的としています。各チームは英語でコミュニケーションを取りながら、和気あいあいとした雰囲気の中で課題に取り組んでいました。プログラム期間中、マレーシアの学生ならびに引率の先生は、長岡高専の学生寮に宿泊し、寮生とも交流を持つことができました。

写真2
日本ーマレーシア混成チームによるmBotの組立作業
写真3
ライントレース競技に向けてのディスカッション

2.ものづくり企業の見学

新潟県のほぼ中央に位置する三条市は、1600年中頃から鍛冶専業職人が誕生し、鍛冶の町として栄えてきました。その三条市で、手造りにこだわり家庭用や本職用の庖丁などを製造している㈱タダフサ様と、業務用爪切りで有名な㈱諏訪田製作所様を見学させていただき、その歴史と伝統金属加工技術について学びました。

写真4
会社見学 (株)タダフサにて

3.水族館、スカイツリーなどの見学

日本海側有数の規模を誇る新潟市水族館マリンピア日本海では、最新の水処理技術や飼育環境を見学しました。またドルフィンスタジアムでのイルカたちの見事なジャンプに、学生たちは興奮していました。スカイツリーでは地上から天望デッキを約50秒で結ぶ大容量・超高速のエレベータに乗り、その速さとあまりのスムーズさに感動していました。プログラム期間中の週末は心と身体のリフレッシュをかねて、越後長岡丘陵公園にて、輪かんじきを履いた雪の上の里山散策を楽しみました。

写真5
里山散策を終えて
写真6
東京に向けて出発 学生寮前にて
写真7
浅草 雷門にて

4.日本科学未来館の見学

日本科学未来館では、宇宙に輝く地球の姿をリアルに映し出す日本科学未来館のシンボル展示物、Geo-Cosmosに見入っていました。また3Dムービーでは、難解な数式で表現される理論物理学の最前線を、エンターテインメント性あふれる映像で体験することができました。

写真8
日本科学未来館にて

このプログラムに参加したADTEC Melaka校の学生ならびに引率された先生は、「日本の学生と交流でき、日本での生活を体験し、日本の今を理解することができたことに対して大変有意義であった」との感想を述べていました。最後に、このような貴重な機会を与えてくださいました、さくらサイエンスプログラムにお礼を申し上げます。