2017年度 活動レポート 第346号:理化学研究所環境資源科学研究センター

2017年度活動レポート(一般公募コース)第346号

クリーン&サステイナブルな社会を目指した環境資源研究

理化学研究所環境資源科学研究センター生体機能触媒研究チーム
中村龍平さんからの報告

理化学研究所 環境資源科学研究センター 生体機能触媒研究チームでは、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、平成29年11月29日から12月8日までの10日間、中国の華中科技大学から8名の大学生と1名の教員を受け入れました。

本プログラムは「クリーン&サステイナブルな社会を目指した環境資源研究」をテーマにしており、理研で取り組んでいる100年後の地球環境を見据えた環境資源研究に触れ、光触媒ワークショップへの参加を通して最先端の環境浄化技術を学ぶことで、今後の科学技術が進むべき方向性について議論することを目的として開催しました。

11月30日には招へいした学生らが大学で行っている研究紹介をしていただき、その後チームで行う実験についての議論を室員と行いました。また、翌12月1日には室員による当チームの研究紹介を行いました。

写真1
ディスカッション後の集合写真

12月2日には東京理科大学にて開催された光触媒国際シンポジウムに参加しました。光触媒の基礎と応用に関係する国内外の研究者が参加した当シンポジウムに出席することにより、当該分野の最新動向に触れることができました。

12月4日から6日は当チームでラマン顕微鏡を使用した実験を行いました。招へい者らは大学で二酸化炭素還元のための触媒開発を行っています。ラマン顕微鏡を使用することにより新たな測定結果を得ることができ、今後の触媒開発に繋がる知見を得ることができました。

プログラム最終日の12月7日には成果発表会を行い、本プログラムを通じて学習したことについて各学生が発表を行いました。生命起源の最新研究や電気化学の実験を体験したことが有意義な経験になったことに加え、研究や文化の観点から中国と日本との違いについて深く考えるきっかけになったと話していました。

写真2
ラマン顕微鏡測定の体験
写真3
認定状授与後の集合写真

以下に、招へい者からのコメントを抜粋します:
・理研の最新の研究施設を訪問することができ、良い経験になった。
・居心地の良い研究環境に感動するとともに、チームでの真摯でクリティカルな研究姿勢に感銘を受けた。
・理研では異分野融合に力を入れていることが、優秀な研究者の育成と研究の独自性に繋がっていると感じた。
・理研では、他の優れた技術を取り入れるためのコミュニケーションが活発であると感じた。カフェテリアがあり、議論が活発に行われている様子も印象的だった。
・室員と実験を行うことにより、自分に足りないものに気付くことができた。また、彼らとの議論を通じて、自分がこれまで考えつかなかった実験方法に気付くことができた。
・日本の文化について、今回の滞在で学ぶことができた。今後も日本と中国間の交流がより活発になることを望む。

本プログラムを通じ、招へい者に日本での研究現場を肌で感じてもらうことができました。また、中国の優秀な学生との交流を持ったことで、室員にとっても大変良い刺激となりました。このような交流の場を与えて下さったさくらサイエンスプログラムに感謝致します。