2017年度 活動レポート 第249号:東京理科大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第249号

タイの大学院生が、宇宙開発について実践的に学ぶ

東京理科大学からの報告

2017年12月4日~12月13日までの10日間、さくらサイエンスプログラムの支援により、タイ・アジア工科大学院から教員1名、大学院学生10名が東京理科大学電気電子情報工学科木村研究室に滞在して、民生用電子デバイスを活用した超小型衛星搭載機器の設計・製作体験に参加しました。

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成田空港に到着
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Closing Ceremony で研究室の学生と共に

木村研究室では、民生用の電子デバイスを活用して、低コストで高機能な宇宙機器を数多く開発しており、「IKAROS」、「はやぶさ2」など様々なミッションにおいて活用されています。このプログラムでは、搭載機器の製作と環境試験などを実際に体験すると共に、グループに分かれて模擬衛星CANSATのミッションの設計を行うことで、宇宙開発について実践的に学ぶことを目的としています。

参加者はまず、木村研究室が開発した宇宙カメラ開発キットを用いて、それぞれ自分の宇宙用カメラを製作します。その製作過程で、宇宙機器を開発製造する上で重要な点について体験的に学びます。ちなみに、この宇宙カメラ開発キットはIKAROSに搭載されたカメラと基本的に同じ設計で、宇宙用に実績のある部品で構成されているので、将来宇宙機に搭載して宇宙空間で動作させることができます。

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製作した宇宙用カメラと共に記念写真
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宇宙用カメラの製作

次に、参加者それぞれが製作した宇宙用カメラが、宇宙環境で動作することを確認するために、熱真空試験・温度試験などの環境試験を実施しました。温度試験については理工学部物理学科の幸村研究室にご協力頂き、搭載機器評価用の恒温槽をお借りして、実施させて頂きました。軌道上での環境を再現した、環境試験を自分たちで実施することで、参加者の宇宙機器開発への理解と関心が一層高まったように感じました。

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無重量ロボット実験装置見学の様子
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温度試験の様子(幸村研究室にて)

12月9日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)にご協力頂き、JAXA筑波宇宙センター等の宇宙関連設備を見学しました。筑波宇宙センターでは、通常では見学することができない「きぼう運用管制施設」も見学させて頂き、非常に貴重な体験になったと思われます。

プログラムの後半では、参加者が2グループにわかれ、グループ毎に模擬衛星CANSATのシステム設計に取り組みました。検討内容は、12月12日に、それぞれプレゼンテーションを行い、1チームはローバー型、もう1チームはフライバック型の、大変ユニークなミッション提案が発表されました。この設計過程で、システムデザインなどについて実践的に学ぶことができたと思います。

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CANSAT設計報告会の様子

このプログラムは、受け入れ側の学生にとっても、非常に良い刺激になり、国際的な視点で物事を考える貴重な経験となりました。また、参加者からは、将来東京理科大学の博士課程への進学に強く興味を持ったという意見を多く頂いており、今後様々な交流に発展していく事が期待されます。このような交流のきっかけを作って頂いた、さくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。