2017年度 活動レポート 第237号:北陸先端科学技術大学院大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第237号

ベトナムの若者がJAISTで先進的な教育研究環境を体験

北陸先端科学技術大学院大学からの報告

2017年11月22日~12月1日までの10日間、ハノイ国立教育大学とベトナム国立大学構成校の一つである教育大学より10人が、さくらサイエンスプログラムにより北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)を訪れました。

これら2つの大学はベトナムで最も有名な教育大学で、招へい対象者は、社会科学あるいは自然科学の様々なバックグラウンドを持つ大学教員・大学院生・学部生からなるグループです。

今回の訪問は、日本の先進的な教育研究環境を体験し、日本文化の理解を深める、とても良い機会となりました。この経験を通じて、自身の大学において研究教育を支援する先進的インフラをどう確立していくか、日本の教育機関との連携をいかに促進していくかについて、独自の計画を立てることができました。また、この先研究を続けていく上で、日本を理想的な場所と考える人もいたようです。

1日目

到着後、まずは日本滞在に必要な書類を完成させ、本学におけるホスト教員であるヒュン准教授の研究室を訪ねました。夜はホテル近くのレストランでお寿司をいただき、日本らしい夕食を楽しみました。

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日本の宴会を楽しむ

2日目

この日は祝日のため、本学からバスで10分ほどの鶴来エリアを散策し、このあたりで有名なラーメン屋さんで食事をしました。

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鶴来の神社にて

3日目

午前中はヒュン研究室で行われた研究紹介のセミナーに参加しました。たくさんの質問がヒュン准教授に寄せられ、時間を超過するほどに盛り上がりました。午後は知識科学系長の神田教授を訪問し、本学との間で教育研究の交流を促進する機会について議論しました。

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質問に答えるヒュン准教授

4日目

この日、本学ではオープンキャンパスが開催され、多くの研究室で研究を紹介するポスター発表があり、本学で行われている幅広い分野の研究について学ぶよい機会となりました。

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オープンキャンパスにて、本学学生が研究を説明

また、認知科学、知識メンタリング、精神疾患のオントロジー構築、言語進化のモデル化など、関心のある研究テーマについて本学教員や学生たちと直接対話することができました。その後、本学の学生やポスドクたちと一緒に、石川サイエンスパーク内にあるレストランで昼食を楽しみました。

5日目

石川県下最大でとても有名な街である金沢を視察して、一日を過ごしました。日本三名園のひとつである兼六園に着いた後、近くのレンタルショップで着物を試着しました。

日本の伝統衣装を身に付け、兼六園、金沢城、昔は花街として有名であった東山を散策し、思い出に残る日本文化を体験しました。午後には大雨と強風で天気が悪くなってしまいましたが、金沢で最も有名な武家屋敷である野村邸を訪れました。

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金沢城にて着物姿で

6日目

午前中はナノマテリアルテクノロジーセンターを訪問、クリーンルームや最先端の顕微鏡など本学のマテリアルサイエンス研究を支えるハイテク機器の説明を受けました。

午後は、本学でのビッグデータ研究を支えるスーパーコンピューターが設置されている情報社会基盤研究センターを訪問しました。日本のみならず世界でも最速クラスの計算機があることにとても感銘を受けました。

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本郷准教授によるスーパーコンピューターの説明

7日目

藤波教授が指導するスキルサイエンスラボを訪問し、多くの興味深い話題と、人間のスキルに関する研究を支える先進的な機器の説明を受けました。

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果物とスキル発達の研究の関係を興味深く聞く

8日目

ホー研究室で行われているビッグデータ、機械学習、人工知能の研究について説明を受けました。また、本学の奨学金プログラムの説明も受けました。さらに、本学の講義がどのように組織され評価されているかを知る機会もあり、大学院の講義を担当している参加者には本当に役立ちました。

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ホー教授によるビッグデータの研究の説明

夕方には、本学教員との夕食会を開き、日本の食事、言語、文化などについて話しながら素晴らしい時間を過ごしました。

9日目

ひとりずつ本学の教員と学生に研究トピックを紹介し、滞在期間中の成果を報告しました。最後にヒュン准教授が閉会のスピーチをし、さくらサイエンスプログラム修了書が授与されました。その後全員が、滞在中終始素晴らしいサポートをしてくれた本学のスタッフにお礼とお別れの言葉を述べました。

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計算機科学の研究を紹介
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さくらサイエンスプログラム修了証授与式

10日目

小松空港から飛行機に乗り、その日のうちにベトナム・ハノイのノイバイ空港に無事に到着し、有意義な経験に溢れた、思い出深い10日間の滞在を終えました。