2017年度 活動レポート 第236号:秋田県立大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第236号

北京市土肥工作所若手研究員と秋田県立大の技術交流

秋田県立大学からの報告

2017年9月24日から10月1日の8日間、北京市土肥工作所の若手研究者9名(大学院生2名を含む)を、さくらサイエンスプログラムにより秋田県立大学秋田キャンパスに招へいしました。

今回の招へいは「科学的施肥管理技術及び土壌修復技術の応用」という主題で、北京市土肥工作所が抱えている課題を中心に、秋田県立大学の専門家と実践的な技術交流を行うことを目的として実施しました。

9月24日は北京から羽田を経由して秋田へ移動し、25日~29日は、秋田県立大学で施設見学や、過剰施肥による土壌悪化(塩類化、アルカリ化)や連作障害等の北京市近郊農業地帯で生じている問題に対応した以下の講義等を行いました。

・作物栄養診断技術と農業廃棄物の堆肥製造および問題点

・土壌の物理性診断と省力低コスト施肥技術

・作物病害の診断、防除、発生予察、連作障害対策

・バイオテクノジーを利用した病原菌遺伝子解析技術

・有害元素低吸収作物に関する最新論文の紹介

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講義の様子

施設見学では秋田キャンパス内のバイオテクノロジーセンター、次世代植物工場のほか、八郎潟干拓地にある秋田県立大学フィールド教育研究センターでコンピュータ制御温室での花卉、トマト、イチゴ等の栽培現場やリンゴ・ふじの矮化栽培圃場を視察しました。

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次世代植物工場にて
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バイオテクノロジーセンター
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コンピュータ制御温室・花卉栽培棟にて

28日には北京若手研究者と秋田県立大学の教員・学生との交流セミナーを開催し、団長の趙青春氏以下、9名の方から北京市近郊農業の現状や課題および将来展望等について発表がありました。

北京市近郊農業における現状や課題等は40名前後参集した本学教員、学生にとっていずれも興味深い内容であり、討論会では英語、日本語通訳あるいは黒板の筆談等を交えた熱心な質疑応答が行われました。

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北京土肥工作所研究員による講演
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セミナー参加者による記念写真

また、本プログラムではこの他に、秋田県の協力をいただき、27日には秋田県花卉種苗センターの花卉新品種開発現場圃場を、29日には秋田県農業試験場のダリア新品種展示圃場、ネギ無農薬栽培等を視察しました。

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秋田県農業試験場ダリア新品種展示圃場

29日の午後に東京に移動し、翌30日には日本科学未来館の訪問や日本文化の体験ツアーを行い、10月1日に帰路につきました。

プログラム実施後のアンケートでは、留学を含めて再来日を希望する人が多数おり、参加学生にとって有意義であったことが伺われました。本プログラムをご支援頂いたさくらサイエンスプログラムに深く御礼申し上げます。