2017年度 活動レポート 第209号:大阪府立大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第209号

タイと日本の看護大学院生交流:共に看護を学ぶ・伝える

大阪府立大学地域保健学域・看護学研究科教授 志田京子さんからの報告

大阪府立大学地域保健学域・看護学研究科では、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、タイ王国マヒドン大学シリラート校、ラマティボディ校から各2名、計4名の大学院生を招へいしました。今回訪日された学生は精神看護学、成人看護学の領域を学ぶ優秀な学生でした。本プログラムは、さくらサイエンスプログラムのAコース(10日以内)の採択を受けましたが、内容を充実させるため、前半4日間を自主経費で延長し、2017年10月26日から11月8日の14日間の日程で学術・文化交流を行いました。5日目以降のプログラムがさくらサイエンスプログラムによる事業として行なわれたものです。

1日目

空港から宿泊先のホテルまで本学の学生が案内しました。この日は昨年崩御されたプミポン国王の葬儀の日にあたり、ちょうど、なんばの領事館で行われた葬儀に4人とも列席することができました。

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宿泊施設に到着し、これから葬儀セレモニーに参加する前のスナップ

2日目

はびきのキャンパスで昼食をとりながら歓迎会をしました。本学看護学研究科博士前期課程1年の学生たちが主催し、羽曳野(はびきに)キャンパスのツアーや自己紹介を行い、親睦を深めました。

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歓迎会で自己紹介をする学生たち

3日目

大阪府立大学 羽曳野キャンパスの大学祭「杏樹祭」の開催日でした。この日には本学療養学習支援センターが主催する地域住民のための「健康フェア」の催しがあり、学生は骨密度測定や脳年齢測定などさまざまな健康チェックの体験しました。

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健康チェックの結果表をもって記念撮影
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腰痛予防に効果のある移送法の体験
 

5日目

各専攻に合わせた病院の見学を実施しました。堺市の浅香山病院、泉佐野市のりんくう総合医療センターで精神看護、急性期看護についてどのような看護が実施されているのか、日本の医療制度やサービス制度についての学習を深めました。

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ドクターカーの車内で記念撮影(りんくう総合医療センター)

6日目

大阪市城東区にある公益社団法人大阪府看護協会を訪問しました。日本の看護師の職能団体である看護協会では、臨床での実習指導者への研修を行っており、こうした研修はタイではまた組織化されていないとのことで高い関心にもとに視察が行なわれました。

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大阪城をバックに看護協会会長、理事の方々と記念撮影

7日目

午前中は近隣の羽曳が丘小学校を見学し、午後からは羽曳野キャンパスに戻って、看護学類2年次向けの基礎看護技術演を受講しました。

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羽曳が丘小学校の生徒たちとの交流

8日目

中央区にある緒方洪庵祈念財団が運営する徐痘館記念資料室に行きました。江戸末期に近代医学の祖となった緒方洪庵が中心となって天然痘予防の普及活動を行ったとされる徐痘館に関する資料を閲覧し、日本の歴史的な公衆衛生活動について知見を広める機会となりました。

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徐痘館の展示を見学

9日目

中百舌鳥キャンパスで開催された大学祭(白鷺祭)大学祭に参加し、理事長・学長室、国際・地域連携課を訪問をし、専門分野で学びや日本の印象などについて関係教職員と懇談する機会を持ちました。

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学長との語らい
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白鷲祭会場を散策
 

10日目

大阪市西区にある津波・高潮ステーション、阿倍野防災センターで災害時の対応についての啓発活動についての取り組みについて学ぶ機会を持ちました。

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阿倍野防災センターにて記念撮影

今回の研修は、すべて本学の関係教職員や大学院生が同行し、相互の国の状況について質疑応答や情報交換をしながら実施しました。英語でのコミュニケーションの機会となり、本学の大学院生にも大きな刺激となりました。

12日目

各人の研究テーマと内容について本学関係教員とディスカッションを行いました。議論を通じて発表資料をまとめて、翌日、発表会を開催いたしました。発表会ではマヒドン研修生の他、本学の大学院生で国際学会発表予定者も発表いたしました。最後に研究科長よりさくらサイエンスプログラムの修了証が授与されました。

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府大院生・マヒドン院生ともに
英語で自身の研究計画について発表
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修了証の授与
 
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タイの民族舞踊を輪になって踊っています