2017年度 活動レポート 第174号:北海道情報大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第174号

東南アジア3ヵ国の若者が、日本の宇宙利用と情報通信技術を学ぶ

北海道情報大学 国際交流・留学生支援課 小田島 敬太さんからの報告

2017年9月18日~23日の6日間の日程で、タイ・マレーシア・インドネシアの3カ国から5名の学生を招へいし「宇宙利用と情報通信技術」をテーマに「日本の宇宙開発の中枢JAXAの本拠地 筑波宇宙センターの見学」、「日本の最新気象衛星ひまわり8号の観測データを用いたワークショップの開催」「札幌市青少年科学館の見学」をメインとした、科学技術体験プログラムを実施いたしました。

初日

移動日

2日目

午前中から筑波宇宙センターの見学を行いました。実物大の衛星模型などが展示されているスペースドームを見学した後、オフィシャルツアーに参加しました。スペースドーム見学では、今回特別に、本学のグループ企業である宇宙技術開発(株)(SED)の協力を得て、英語での施設解説を頂きました。学生たちは「ISSきぼうモジュール」や「ISS補給機こうのとり」などの実物大模型を前に説明を聞き、目を輝かせながら熱心に質問をしていました。

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SEDのスタッフ(中央スーツの2名)と
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英語での設備解説を受ける学生たち
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ISSきぼうモジュール見学

3日目

場所を北海道に移し、本学内にてワークショップ1回目(全2回)を実施しました。本ワークショップは気象衛星ひまわり8号について、その概要と、得られるデータの利用方法を学ぶもので、招へい学生の他、本学学生10名ほども参加しました。

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ワークショップ全景

初回であるこの日は、情報通信研究機構(NICT)総合テストベッド研究開発推進センター 研究統括の村田健史様から、ひまわり8号の概要とデータの実際の活用法を学びました。学生たちは、ひまわり8号からのデータが気象観測の他、災害時の被害状況確認や作物の生育状況の確認など様々な用途に利用できることを興味深く学んでいました。

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NICT村田様からの講義

4日目

学外活動として札幌市青少年科学館を見学しました。当館には国内でも珍しい太陽系惑星の実比率大模型や、惑星ごとの質量を体感できる設備、雪の結晶形成を視覚的に学べる設備があり、皆楽しみながら学んでいました。

特に雪に関するブースは南国出身の学生たちには目新しく、皆興味津々に見学していました。見学の最後には、1億個の星や9500個の恒星の色を再現できる当館の最先端プラネタリウムを貸し切って、日本の星空と学生たちの母国から見える星空を比べながら、スタッフの方に説明を頂きました。

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惑星の質量の違いを体感
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雪の結晶形成に興味津々

5日目

本学内にてワークショップ2回目を実施しました。本学の宇宙情報センター長渡部重十教授の指導の下、ひまわりから取得したRGBデータをプログラミング言語(Python)を用いて合成し、1枚の画像として表示するという実習を行いました。

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渡部教授による実習
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渡部教授(手前左から2人目)/本学学生(左奥2名)と

学生たちは試行錯誤を繰り返し、互いに教え合いながら何とか課題をやり遂げました。ワークショップ後には、本学学生や関係した教員等を交え送別会を行い、招へい学生たちに本プログラムを通しての感想を語ってもらいました。

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送別会で本学学生と交流

皆、短い期間ながら、日本の宇宙技術はもちろん、文化や食などについても多くのことを学ぶことができ、大変貴重で有意義な経験ができたと語っていました。翌日、皆口々にいつかまた日本に戻ってくると言い、本国に戻っていきました。

最後に、この場をお借りして、今回の機会を下さったさくらサイエンスプログラム、そしてSED、NICT、札幌市青少年科学館の皆様を初めとして本プログラム実施にご協力いただいたすべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。