2017年度 活動レポート 第83号:九州工業大学大学院情報工学研究院

2017年度活動レポート(一般公募コース)第83号

アジアの未来を担う若者同士の交流を促進しよう!

九州工業大学大学院情報工学研究院 鈴木恵友さんからの報告

平成29年9月4日から9月13日までの10日間にわたり、さくらサイエンスプログラムにより国立台湾科技大学から合計11名(学部生10名、引率1名)を招へいしました。

国立台湾科技大学は、大学間で協定を締結しており、学部生・大学院生を対象に、毎年8名~11名程度の学生の短期受入や派遣を実施しています。

<内容>

情報工学部の学生を中心に協働教育の実施や、本学の最先端技術の研究、海外における英語講義の受講、企業見学など。

本学の学生に海外の学生に触れる機会を与えることで、国際的な感覚を育成する上でいくらかの成果も確認できています。

<スケジュール>

9月4日 午前 空港到着
午後 来学、オリエンテーション(主に日本の生活に関する説明)
9月5日 午前 大学紹介と飯塚キャンパス研究室見学
協働学習のチーム割り振り
午後 学生による自己紹介
研究内容等のプレゼンテーション
アイスブレイク(スポーツ交流)
懇親会
9月6日 午前 協働学習の説明(PBLにおける課題説明)
午後 研究室見学
協働学習(チーム別のロボット製作)
9月7日 午前 協働学習(チーム別のロボット製作)
午後 研究室見学
協働学習(チーム別のロボット製作)
9月8日 午前 協働学習(チーム別のロボット製作)
午後 競技会
9月9日 午前 周辺散策
午後 周辺散策
9月10日 午前 周辺散策
午後 周辺散策
9月11日 午前 ロボット工場・安川電機みらい館見学
午後 日産自動車九州 工場見学
9月12日 午前 最終プレゼンレーションの準備
午後 最終プレゼンテーション
送別会
9月13日 午前 空港へ移動
午後 帰国

<実施範囲>

本学においては機械以外に制御や生命など。

国立台湾科技大学においては、機械の他にデザイン系の学生も参加範囲に拡張しています。

<実施内容>

台湾から招へいした学生は初めての来日であるため、協働学習の他に工場見学や文化体験なども盛り込むこととしました。

具体的には、以下4点を中心に実施しました。

(1)市販ロボットによるPBLの実施、
(2)研究室見学の実施、
(3)工場見学、
(4)最終報告会

学生が主体となる活動を通して、互いの意思疎通を積極的に図るようにしました。PBLの内容としては、台湾の学生と本学の学生がチームを組み、チーム毎にロボットの組み立てキットを用いて研修課題に取り組みました。

ここでは両大学の学生同士の距離感を縮めるために、協働学習に入る前のアイスブレイクとして、学生交流イベントを実施しました。

写真2
自己紹介
写真3
オリエンテーション

チーム毎のスポーツや、懇親会をとおして、チーム内のコミュニケーションが活発になり、先方の引率教員からは、来年度はチームで実施するカードゲームなど台湾で喜ばれる交流手法に関する提案もありました。

課題に関する説明資料を敢えて日本語にすることで、本学の学生から台湾の学生に、課題内容について理解を共有するように促しました。課題の内容としては、ロボットのタイムレースやパフォーマンスを行う競技会を中心としました。

写真4
競技会
写真5
協働学習(チーム別のロボット製作)

研究室見学においては、昨年度の反省点も盛り込み、2つの研究室に絞り協力を依頼し、PBLの実施途中に盛り込むことにしました。また、工場見学では、九州地区において自動車産業が盛んであることから、トヨタ自動車九州や安川電機で実施しました。

写真6
ロボット工場・安川電機みらい館見学

学生間の交流は研究だけに留まらず、様々な場面で継続して行われました。また、ダブルディグリーにより受け入れている台湾の留学生や、12月に台湾に派遣した本学の学生も本プログラムに参加し、より幅広く学生の国際的な感覚を育成することができました。

写真7
送別会

一方、反省点として、課題内容が機械分野に偏ったため、他分野でも参加しやすくすることや、対外的なアピール不足であった点があげられます。

これらの反省点を改善しながら継続的に本プログラムを実施し、台湾と日本の学生が単純に文化交流ではなく、技術を主体とした交流をすることにより、より深くアジアの未来を担う若者同士の国際交流促進に貢献していきたいと思います。