2017年度 活動レポート 第12号:静岡県

2017年度活動レポート(一般公募コース)第12号

健康・医療とそれを支えるものづくりについて学ぶ

静岡県からの報告

静岡県では、モンゴル教育・文化・科学・スポーツ省の協力を得て、モンゴル全土から選抜された高校生8名、引率1名を、2017年6月28日~2017年7月5日の日程で招へいしました。同省とは、平成27年8月に交流に関する覚書を調印し、教育・文化・科学分野における人的交流を推進しています。

本県は、平成24年に健康寿命が日本一となり、現在も全国トップレベルを維持しています。また、それを支える医療品、医療機器の生産金額も全国トップレベルで、これには、各地域の「知の拠点」である大学や研究施設、企業、そして行政が連携して取り組んでいる医療・健康関連産業、食品関連産業、光・電子技術関連産業の3つの新産業集積プロジェクトが貢献しています。

このような、本県の優れた技術や研究への理解を深めていただくため、今年度は、“健康・医療とそれを支えるものづくり”をテーマにプログラムを組みました。

県東部地域では、国立遺伝学研究所を訪問し、人間の進化と遺伝子の関連について学び、シーケンサールームを見学しました。モンゴルでは、珍しい研究だということで、遺伝学という分野に、多くの生徒が興味を示していました。

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国立遺伝学研究所にて

その後訪れた順天堂大学保健看護学部では、日本人学生と一緒に、問診の仕方を学んだり、お互いの文化を紹介し合ったりしました。学生との交流を通し、少し緊張していたモンゴルの高校生の表情が和らぎました。

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順天堂大学保健看護学部にて

中部地域では、静岡県立大学薬学部を訪問し、フレーバーなどを使い飲みやすさを追及した口腔内崩壊錠(ODT)やグミ製剤開発について学んだほか、模擬薬局で薬剤の説明を受けたりしました。

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静岡県立大学にて

県庁訪問では、民族衣装を身につけ、文化・観光部長の前で、訪問の抱負を力強く語りました。

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県庁文化・観光部長訪問

週末には、静岡の歴史や環境、日本文化についての理解を深めるため、全国初の地球環境史の博物館「ふじのくに地球環境史ミュージアム」、国宝に指定されている久能山東照宮を訪問したほか、駿府城公園で呈茶体験をしました。

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ふじのくに地球環境史ミュージアムにて
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駿府城公園呈茶体験

西部地域では、3大学を訪れました。浜松医科大学では、医学部生との交流に加え、縫合体験、医療機器体験、6つの研究室見学を通じ最新の研究に触れ、とても興味深げでした。

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浜松医科大学にて

静岡大学工学部では、光生体計測分野などの4つの研究室を訪問し、ロボットや機械を積極的に体験していました。静岡文化芸術大学では、学生主導で作られた授業に参加し、健康長寿について両国を比較したり、高齢者疑似体験をしたりしました。

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静岡大学工学部にて
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静岡文化芸術大学にて

訪問中は、優れた研究を学んでもらうことに加え、日本文化の良さを感じてもらうなど、貴重な経験をしてもらうことができました。

その成果もあり、プログラムを通して、「将来日本へ留学したい」、「訪問した大学で勉強したい」などの感想が聞け、静岡県で学ぶことの魅力を存分に伝えることができました。

モンゴルの高校生を迎えるに当たり、多大なるご協力を頂いた高等教育機関等の皆様に感謝を申し上げるとともに、今後もさくらサイエンスプログラムで多くの青少年が来日し、日本の優れた技術を学んでいただけるよう祈念しています。